店頭流通

アクト・ツー 個人向けセキュリティ関連ソフトを強化 値下げキャンペーンなどの拡販策も

2003/09/01 16:51

週刊BCN 2003年09月01日vol.1004掲載

 ソフトウェア販売などのアクト・ツー(加藤幹也社長)は、セキュリティ関連ソフト事業を強化する。主力製品である個人向けファイアウォール製品「RealSecure BlackICE PC Protection(リアルセキュア ブラックアイス ピーシープロテクション)」の拡販策として、9月5日から値下げキャンペーンを実施し、拡販に弾みをつける。併せて、セキュリティ関連ソフトの新製品を5-6本投入する計画で、ラインアップの充実も図っていく。

 同社はソフト販売がメイン事業で、国内外ベンダーのソフト販売を約30タイトル手がけている。このうち、セキュリティ関連ソフトは、個人向けファイアウォール「ブラックアイス」やバックアップソフト「Retro spect(レトロスペクト)」など合計3製品にとどまり、取り扱い本数は少ない。だが、「幅広いジャンルの製品を扱っているが、セキュリティ関連ソフトの売上本数は他ジャンルを大幅に上回る」(加藤幹也社長)という。

 こうした状況を受けて、年内にセキュリティ関連ソフトの新製品1-2本を発売するのを手始めに、合計5-6本を投入していく計画だ。「これまで手付かずだったセキュリティ分野にアプローチする」(加藤社長)方針で、個人向けセキュリティ関連ソフトの充実を図っていく。

 現在のセキュリティソフトの中では、インターネットセキュリティシステムズ(ISS)が開発した「ブラックアイス」は特に好調で、より販売に弾みをつけるため、9月5日から値下げキャンペーンを実施する。ウイルス対策ソフトを利用するユーザーを対象に3000本限定で、通常価格9800円を4900円に大幅値下げして販売する。

 「ブラックアイス」は、4月の発売以来すでに約1万本を売り上げており、以前に手がけていた他社のファイアウォールが約3年間で4万本程度であるのに比べ、好調さが際立っている。また、8月中旬に大規模な被害をもたらしたワーム型ウイルス「MS Blaster(ブラスター)」の発生で、販売が発生前に比べ2-3倍に伸びているという。

 メーカーパソコンへのバンドル提供も「現在メーカーと検討段階」(河野俊之・常務取締役CTO統括部長)と、新たなルートでの販売も視野に入れている。

 「ブラックアイス」は、他社の個人向けファイアウォール製品に比べ、複雑な設定を自ら行う必要がなく、「通常のアクセスと不正アクセスを自動的に見極め、未知・既知を問わず不正アクセスを完全にシャットダウンできる」(河野常務)ことが評価されている。
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