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無線LANの販売動向

2003/12/02 16:51

週刊BCN 2003年12月01日vol.1017掲載

バッファローの独走続く

家電機器との接続も視野に

 無線LAN市場は、バッファローの独走状態が続く。メーカー別販売台数シェアでは50%以上を維持。11月17-23日の機種別台数シェアでは、同社の製品が上位10機種の中に7機種ランクインしている。同社では、無線LANでデジタル家電機器をセキュアにつなぐ技術「エアステーション・ワンタッチ・セキュア・システム(A.O.S.S)」をこのほど開発し、同技術をベースにホームネットワーク市場に本格参入する方針を掲げている。

 省電力で小型の無線LANモジュールをチップメーカーのブロードバンドコムから調達し、同モジュールとA.O.S.Sファームウェアをセットにして家電メーカーに提供する。自社製品では、ブロードバンドルータ「エアステーションWHR2-G54」と、ワイヤレス・イーサネット・メディアコンバータ「WLI-TX1-G54」などを12月中にA.O.S.S対応製品とする予定。サポートについては、独自のサービス組織である「バッファロー・サービス・アライアンス(BSA)」との連係により、電話や訪問でA.O.S.Sモジュール搭載機器の設定・アフターサービスなどを行っていく。

 牧誠社長は、「A.O.S.Sのビジネスは、06年度に200-300億円の売上高となり、関連ビジネスも含めれば500億円規模になるだろう」とみている。デジタル家電が浸透してくれば、無線LANユーザー層の裾野が広がる可能性が高い。しかし、家庭内における無線LAN環境の構築は、セキュリティ面や設定の難しさといった問題が浮上している。今後はこうした課題をクリアし、ハード機器の販売に加え、ネットワークの構築を含めたサービスをいかに提供できるかが、無線LANで主導権を握るカギになりそうだ。
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