全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>18.千葉・総武線沿線(中)

2004/03/08 18:45

週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載

 さくらやは、千葉県船橋市のJR船橋駅前の複合施設「フェイス」内にある船橋駅前店を、新規顧客層を開拓するための店舗と位置付けている。同店は2003年4月17日にさくらやとして千葉県内で初めての店舗としてオープンした。池田光洋店長は、「オープン以来、主婦層や高齢者を中心に新規のお客様を獲得している」と自信をみせる。

さくらや、高齢者や主婦を獲得

 同店でのポイントカード新規加入者は、1か月平均で5000人以上という。1日平均の来店者数は、平日が1000人以上、土日が2000人以上。「最近では、会社員が平日、帰宅途中に寄ったり、土日に家族で来店するケースも出てきた」と、東京の新宿地区や八重洲地区などで働く船橋在住のビジネスマンの顧客が増えている。ポイントカードの提示率は50%以上になっており、「月を追うごとに伸びている」とリピート客の確保も順調だ。

 商品は、「主婦層や高齢者、会社員が買い物ついでや会社帰りに『ちょっと寄る』というケースが高いため、電球、乾電池、インクジェットプリンタのインクや印刷紙などの消耗品が売れ筋」になっている。そのため、2-3週間に1回のペースで商品が変わる消耗品のワゴンセールを実施。これにより、「お客さんに対し、『ほかの店舗より安い』という印象を植え付ける」ことにもつなげている。

 テナント出店する「フェイス」ビルは、船橋市がJR船橋駅と京成船橋駅の周辺を整備する再開発事業の中核として建設したビルで、地下3階から地上14階の構成。5-6階部分は、「船橋駅前総合窓口センター」や「市民活動サポートセンター」、「市民文化創造館」、7階部分に「旅券事務所分室」や「献血ルーム」などが入っている。こうした施設に加え、2-4階部分に飲食店や英会話教室などがテナント出店しており、さくらやにとっては他地域の店舗で比較的開拓しきれなかった主婦層や高齢者を顧客として獲得できた要因になった。

 今後は、「いかに客単価をアップするか」が課題。「消耗品だけでなく、当店だから売れる“地域に合った商材”を武器にしていきたい」意向だ。どの家電量販店でも売れ筋商材である薄型テレビやDVDレコーダー、デジタルカメラのなどは、「人気が高く、もちろん売れている」ため、近く店舗レイアウトのリニューアルを図る予定だ。

 しかし、「最近では、男性であればシェーバー、女性なら理美容といった商品が売れ筋になりつつある。この売場を、どのように見せて来店者を増やすかを思案している」と、リニューアル案に思案を巡らせているとか。

 店舗のパワーアップにより、今年度(05年2月期)の売上高は、「前年度比40%増を目指す」と、強気の姿勢をみせる。(佐相彰彦)
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