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メモリカードの販売動向

2004/03/15 16:51

週刊BCN 2004年03月15日vol.1031掲載

販売台数、前年比173%に

デジカメの需要に呼応

 デジタルカメラや携帯電話、PDA(情報携帯端末)などのデジタル機器市場の好調に支えられ、メモリカードの販売が拡大している。BCNランキングによると、3月1-7日の週は全販売台数が前年同週比173%と、今年に入ってから最高の伸びを記録した。要因は、メモリカードの主力用途であるデジカメの販売が、ソニーの薄型デジカメ「サイバーショットT1」(昨年11月発売)に牽引される形で、1月後半から各週とも前年同週比で1.5倍程度伸長したこと。加えて、今年に入り、フロッピーなどに代わる記録媒体としてUSB対応フラッシュメモリが伸び、メモリカード全体の販売を押し上げたためだ。

 多くのメーカーが記録媒体に採用している「SDカード」陣営は、松下電器産業のSDマルチカメラ「Dスナップ」やデジカメなどのヒットで、3月1-7日の週で東芝と松下電器の2社の合計販売台数が前年同週比約3倍に伸びた。「メモリースティック」陣営は、ソニー1社がデジカメと携帯電話の販売で奮闘し、同陣営のシェアを支えている。メモリカード市場でベンダー別シェア1位のバッファローと2位のアイ・オー・データ機器は、持ち運び用ストレージ製品のUSB対応フラッシュメモリが好調。バッファローの「クリップドライブ」シリーズはここ数週間、機種別でトップ5位内に3製品が入っている。アイ・オー・データ機器の「イージーディスク・メイト」も128メガ版が10位につけるなど上位を賑わす。

 一方、富士写真フイルムとオリンパスが2002年秋口から「xDピクチャーカード」を採用したため、これまで両社の記録媒体だった「スマートメディア」は、上位50機種から姿を消した。ただ、「コンパクトタイプのデジカメの需要は一巡した」(大手量販店)との見方が大勢。今後は、3月19日に発売されるニコンの「D70」やキヤノンの「EOS kissデジタル」など、一眼レフデジカメの販売増に期待がかかっている。
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