全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>22.福岡県福岡市(下)

2004/04/05 18:45

週刊BCN 2004年04月05日vol.1034掲載

 福岡市西区のデオデオ福岡西店は、商品の体験コーナーを数多く設けることで、固定客の確保を図っている。

体験コーナーで固定客を確保

 AV(音響・映像)機器売り場では、薄型テレビとDVDレコーダーを体験できるようにソファーを用意。ユーザーがゆっくりとDVDなどを視聴できるようにした。パソコンコーナーでは、本体とインクジェットプリンタなど関連機器をパソコンデスクの上に並べ、インテリアを提案。春商戦本番の3月末までは、入学や進学を切り口としてパソコンやプリンタのセット販売で割り引くといったキャンペーンも実施した。ほかにも、家電機器で電器シェーバーやフェイシャル商品の体験コーナーを設置した。

 渡辺孝浩店長は、「単に展示するだけでなく、部屋で使うシーンをユーザーにイメージしてもらうことが購入に結びつく。しかも、薄型テレビやパソコンなどメインの商品だけでなく、ソファーや机などの販売にもつながっている」と、家電製品以外の販売にもつながったと笑う。

 1日平均の来店者数は、平日が約300人、土日が1000人以上。売り場面積が約3305平方メートルという大きさの割に少ない。しかし、「平日は、固定客が会社や学校帰りに寄ることが多く、購入も消耗品が中心。だが、来店者のほとんどが商品購入を目的に来ている」という。土日はファミリーの来店が中心。ポイントカード「デオデオeeカード」の提示率はレジ通過数の7割を超える。しかも、1か月平均の新規加入者は800人弱で推移しており、固定客を着実に増やしている。

 渡辺店長は、「家電量販店は、品揃えの多い少ないはあっても、基本的には扱っている商材が同じ。競合店舗との差別化を図るには、カタログにない展示や接客でユーザーに楽しさを訴えていくことが重要」と強調しており、「5年間の長期修理保証などサポート面の充実といった“デオデオらしさ”をアピールしていく」ことで、競合店との差別化を図る。

 西区の国道202号外環状道路沿いでは、同店のオープン(2002年10月)をはじめ、コジマのNEW福岡西店が03年6月、ピーシーデポコーポレーションの福岡西店が04年3月に出店するなど、家電量販店やパソコン専門店が次々と出店している。同地区は、地下鉄3号線の建設(開業は05年)や外環状道路の整備など都市開発事業が進んでおり、人口増加が見込まれている。今後も、数多くのショップが出店する可能性が高く、福岡市における郊外激戦区として拍車がかかりそうだ。(佐相彰彦)
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