店頭流通

グッドウィル 3年ぶりに新規出店、名古屋市周辺に小型店 東海地区以外でも検討

2004/06/14 18:45

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

 東海地区を地盤とするパソコン専門店のグッドウィル(月城朗社長)は、新規出店に乗り出す。これまで約2年間、大がかりな出店は控えてきたが、粗利率の拡大など収益体制強化の基盤が整ったことから新規出店を本格化する。出店地は、名古屋市東部の新興住宅街のほか、東海地区以外への出店も視野に入れている。これまで名古屋市内の大須電気街や郊外大型店を中心に出店してきたが、名古屋市周辺の新興住宅地をターゲットにするのは今回が初めて。また、東海地区以外では沖縄県の出店実績があるだけ。出店形態は同社の既存店舗と同様のパソコン専門店を基本としたもので、マニア向けの高付加価値商材を中心に揃え、収益性の良い店舗にする。

 名古屋市周辺の新興住宅地では1店舗あたりの売り場面積は500m2前後の小型店を想定している。郊外住宅地への出店については、「頻繁に大須電気街へ足を運ばなくても済む」(田中満祐・取締役営業本部長=写真)ことで利便性が向上し集客の拡大につながるとみている。来年3月25日から、「2005年日本国際博覧会(愛知万博)」が名古屋東部の豊田市など周辺で開催されることもあり、急速に都市整備が進んでいる。パソコンを日常的に使いこなす若い世代が大量に移り住んでおり、専門店に対する需要が高まっていると判断した。

 既存店がある東海地区や沖縄県以外を視野に入れた出店計画では、郊外型店舗と同様の1000-2000m2クラスの大型店になる可能性があるという。同社では、オリジナルパソコンや中古パソコン、パーツ、アミューズメント商材の拡充など、専門店としての特色を発揮することで、2000年9月期に比べて今年度(04年9月)の粗利率を約3ポイント改善した。来年度(05年9月期)までには、「さらに1ポイントの粗利率改善を目指す」(同)と収益体制の強化に力を入れる。今回の新規出店で、大幅な増収増益を見込んでいる。

 商材の選別だけでなく、顧客へのアプローチの仕方も変えた。これまで続けてきた不特定多数に配布する販促チラシを1年半前に廃止。購買履歴などから顧客ターゲットを明確にしたダイレクトマーケティングを推進。東海地区および沖縄県を中心としたダイレクトマーケティング対象顧客約5万人のデータベースを活用した顧客サービスの向上にも努める。今年9月には、本格的なEC(電子商取引)システムを導入する予定で、この仕組みを活用してコストダウンやマーケティングへの応用による収益増も図る。
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