店頭市場ピックアップ

申告ソフトの販売動向

2004/08/02 16:51

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

JCNランド縮小で、シェア争いに変動

弥生の年間トップ確実に

 「BCN AWARD 2004」で申告ソフトウェア部門のナンバーワンに輝いたジェイシーエヌランド(JCNランド)が、今年に入りパソコン量販店向け販売の取り組みを縮小している影響で、同ソフト市場のシェア争いに変動が生じている。昨年1年間のトータルで37.6%のシェアを獲得したJCNランドが、直近の7月19-25日の週では、販売本数で13.4%までシェアを落とした。これに代わり、昨年2位だった弥生が、今年はトップを安定して維持。弥生は同週で、47.8%のシェアを取り、2位に30ポイント以上の差をつけ、今年の首位獲得が確実な情勢だ。

 安価な申告ソフトの市場をいち早く切り拓いたソリマチも、勢いを取り戻し、7月19-25日の週では、販売本数シェアが14.7%と2位に浮上した。同週では、弥生、ソリマチ、ミロク・ユニソフトの上位3社が販売本数を前年同週に比べ20-30%増やしている。逆に、JCNランドは、前年同週比で52%も販売本数を減らしている。だが、直近4週間では、申告ソフト全体の販売本数が低調で、前年を上回ったのが7月5-11日の週だけ(前年同週比3%増)。残りの週は、いずれも10%程度減少している。

 その中で、10万円以上の高額ソフトで好調なのがピーシーエー(PCA)だ。6月23日に発売を開始した「PCA法人税(平成16年度版)」は、今年6月から全国で導入が始まった国税電子申告・納税システム「e-Tax」とのデータ連動が可能で、来年2月の電子申告時期に合わせ、今から帳簿を継続的に記載しようとする中規模企業に導入が進んでいるようだ。PCAはこのソフトと前バージョン(平成15年度版)に支えられ、7月12-18日の週から2週連続で販売金額シェアで、ソリマチを抜き2位を確保した。申告ソフト市場では、昨年まで伸びていた青色申告ソフトが一巡。今後、業務ソフト業界は、電子申告・納税に対応した確定申告ソフトでのシェア獲得に狙いを定めると見られる。
  • 1