店頭流通

ZOA サポート強化で利益確保へ 05年度に粗利率20%目指す

2004/10/18 18:45

週刊BCN 2004年10月18日vol.1060掲載

 ZOA(旧ディーアイエスナガシマ、長嶋豊社長)は、パソコンなどのサポート強化による利益確保に力を注いでいる。単なる箱売りではなく、販売後のアフターサービスの充実で低価格競争に打ち勝つ方針だ。売上総利益は明らかにしていないものの、今年度(2005年3月期)の粗利率は18%を見込む。これを来年度(06年3月期)には20%まで引き上げる方針だ。

 ZOAの長嶋社長は、「パソコン本体はコモディティ化が進んでいる。そのため、アフターマーケットでのビジネス拡大が重要」とし、サポートの強化に乗り出した。

 「将来的には、パソコンおよび関連機器とデジタル家電機器がネットワークでつながる時代が訪れる」とし、新しいビジネス領域の到来に備える。現段階では、商品を購入した顧客に対し、修理や点検、トラブルなどを1件あたり1050円から提供するサポートサービスを実施している。

 加えて、「当面は、接客の強化で、顧客の信頼を高めていく」方針。顧客の自宅を訪問しネットワーク設定を行うなど、家庭内の家電機器をネットワークで接続する「ホームネットワーク」時代の到来を予見し、これに迅速に対応できる体制を整えていく考え。

 顧客満足度向上のために03年度から力を入れているのは、顧客情報のデータベース化だ。店舗でユーザーが何を購入したかがわかるほか、従業員が顧客からの問い合わせやトラブルなどに対しどのような対応を取ったのかなどの履歴を全社員が把握できる。これにより、「他の店員が応対しても、ユーザーに最適な接客やアドバイスが行えるようにした」と自信をみせる。
 パソコン専門店や家電量販店の競争は、ポイントおよび現金還元など低価格化がメインになっている。そんななか、薄利多売の常態化で体力勝負に負けたショップもある。

 ZOAでは大手量販店に対抗するため、パソコン専門店ならではの専門的な知識やサポートで勝負することが生き残りの道と判断した。長嶋社長は、「品揃えや陳列などを強化するという箱売りだけの時代は過ぎ去った」と、サポートに重点を置くことが利益確保の最善策であることを強調する。

 粗利率は昨年度が17.8%で、今年度が18%と0.2ポイント向上を見込む。売上高は明らかにしていないが、微減の見通しだ。具体的な売上総利益については金額を明らかにしていないものの、「前年度比12%増」(長嶋社長)になる見通しという。
  • 1