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インクジェットプリンタの市場動向

2005/01/10 16:51

週刊BCN 2005年01月10日vol.1071掲載

複合型が単機能に接近

冬商戦モデルで急伸

 インクジェットプリンタ市場で、複合型プリンタ(印刷、スキャナ、コピーなど複数の機能を持つモデル)の販売台数が、単機能プリンタにじわじわと迫っている。

 図はBCNランキングの月次データをもとに、単機能と複合型の販売台数を指数化して示した(2004年7月の複合型プリンタの販売台数を100とした)。

 昨年7月の段階では、単機能と複合型の販売台数の差は約125ポイントと大きく離れていた。だが、冬モデルの新製品が各社から投入された10月以降から、複合型は単機能モデル以上の伸び率を記録し、その差を徐々に縮めてきている。11月では、単機能と複合型の差は約75ポイントまで狭まった。

 複合型モデルのメーカー別シェアでは、セイコーエプソンがトップの座をキープ。単機能ではキヤノンに大きく水をあけられシェア2位に甘んじているセイコーエプソンだが、複合型では台数シェア58.8%、金額シェア61.3%(ともに11月の月次データ)と圧倒的なシェアを獲得。キヤノンに台数、金額ともに約35ポイントもの差をつけている。

 セイコーエプソンは04年の冬商戦で、03年の冬商戦には1機種しか投入していなかった複合型モデルを3機種投入したほか、テレビコマーシャルも複合型にフォーカスした構成にするなど、複合型にリソースを絞った販売戦略が奏功したようだ。

 単機能プリンタ市場はすでに成熟しており、今後は買い替えニーズをどう喚起していくかが各社のテーマ。しかも、単機能から単機能への移行よりも、複合型への買い替えの方がニーズは強いとの見方が強く、セイコーエプソン、キヤノンの2強をはじめ、各メーカーはさらに複合型にリソースを集中すると見られる。昨年秋から徐々に販売台数の差を縮めている状況から、今年中には複合型が単機能モデルを上回る可能性も出てきた。
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