店頭流通

NECパーソナルプロダクツ 05年度上期にPCショールーム設置 ユーザーへの用途提案を追求

2005/01/10 18:45

週刊BCN 2005年01月10日vol.1071掲載

 NECパーソナルプロダクツ(片山徹社長)は、2005年度(06年3月期)上期中にもパソコンショールームを設置することを明らかにした。場所は未定だが東京都内が有力。AV(音響・映像)機能を搭載したパソコンが個人向けの主力商品となっている。同社では、ショールームを設置してユーザーへの用途提案を行い、パソコン需要の掘り起こしにつなげていく。さらに、パソコン専門店や家電量販店に、パソコンを中心とした新しいデモコーナーを設けてもらうためのモデルケースとしても活用していく考えだ。

 ショールームでは、パソコンを中心にHDD(ハードディスクドライブ)搭載のDVDレコーダーや薄型テレビなどのデジタルAV機器と接続するといったデモコーナーを設置する。パソコンに保存してある動画や画像をテレビで見るなど、ユーザーがパソコンを様々な用途に利用するメリットをアピールしていく。将来、ネット家電が普及していけば、パソコンを核にして冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機、エアコンなどの白物家電とネットワーク化することで実現する新しいライフスタイルを提案していく。

 パソコンメーカーや家電メーカーは、パソコンと家電機器、モバイル機器などの相互接続が可能な「DLNA(デジタルリビングネットワークアライアンス)」規格対応のソフトを搭載した製品開発に取り組んでいる。「この規格対応の製品が登場すれば、AV機能を搭載し、しかもネットワーク機能をもつパソコンがホームサーバー的な役割を果たす」(片山社長)ことになるという。同社は、05年度上期中にDLNA規格準拠のパソコンを発売する計画だ。

 片山社長は、「04年度上期は、薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタルAV機器に需要を奪われた」としているが、AV機能が浸透してきたことで、「下期はパソコンの需要が戻ってきた」と、徐々にパソコンの販売が回復傾向にあると語る。

 今年度第3四半期のパソコン出荷は、台数、金額ともに前年同期比4-5%増となる見通し。「パソコンの販売が伸びたのは、AV機能を搭載したパソコンで“絵作り”に力を入れ、薄型テレビと比べても遜色ない画質を実現した。パソコンでテレビを見ることに違和感を感じないユーザーが増えている」(片山社長)ことが要因という。

 最近、家電量販店では薄型テレビやDVDレコーダーのコーナーを増床するなど、デジタルAV機器需要の拡大のチャンスを逃さないことに躍起になっている。一方、パソコン専門店ではショップブランドのオリジナルパソコンを拡販することで、高い利益率を確保するのに必死だ。

 パソコンの世帯普及率が7割以上を超えており、ニーズが多様化している。パソコンの持つ機能を積極的にアピールできるショールームを設けることは、パソコンの利便性を訴えユーザーの購入意欲を刺激し、パソコン専門店や家電量販店がパソコンを販売しやすいようにする狙いもある。
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