秋葉原物語

<秋葉原物語>[第1部 ポテンシャル]11.販売好調だった2004年末

2005/01/17 16:51

週刊BCN 2005年01月17日vol.1072掲載

 秋葉原が活気づいている。パソコンや家電機器などの需要がピークに達する12月。秋葉原電気街では、昨年冬のボーナス時期、クリスマスや年末年始と販売好調だったパソコン専門店や家電量販店が多い。

 薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタルAV(音響・映像)機器に関しては、昨年夏のアテネオリンピックで増大した需要の波が衰えず、引き続き売上増に大きく貢献したようだ。

 しばらく低迷が続いていた個人向けパソコンは、テレビチューナーなどAV機能を搭載したモデルを中心に、販売が徐々に回復してきたという。「パソコンでテレビを見る」ことに違和感を持たないパソコンユーザーが増えている。デスクトップパソコンについては、テレビチューナーと記録型DVDが搭載されているという点から、液晶テレビとDVDレコーダーを購入する場合との値頃感を比較する消費者も増えてきた。

 ほかにも、アップルコンピュータが販売する「iPod(アイポッド)」をはじめとして携帯型のデジタルオーディオプレイヤーが学生や会社員などを中心に需要が急増している。昨年12月、任天堂とソニー・コンピュータエンタテインメントの大手ゲームメーカー2社が携帯型ゲーム機を発売したことも、ショップ店頭に活気を与えた。

「年が明けてから3-4日の休みという企業が多かった。旅行に行くよりも家でテレビなどを見てくつろぐという人が多かったようだ。そのため、パソコンやデジタルAV機器の購入者が増えたのではないか」(ラオックス)という声もある。

 年末には、都心でも積雪を観測するなど急激に寒くなった。あるショップでは「年末年始にかけて暖房器具が飛ぶように売れた」という。

 昨年暮れの商戦の盛り上がりは、消費者の家電機器および情報関連機器に対する購入意欲が回復している証拠、と見る向きもある。年末年始商戦が終わった1月上旬、週末の夕方でも多くの人で混雑した秋葉原電気街。活気に溢れている様子がうかがえる。(佐相彰彦)
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