全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>60.東京都府中市(上)

2005/01/17 18:45

週刊BCN 2005年01月17日vol.1072掲載

 東京都府中市は、ヤマダ電機やコジマ、ギガスケーズデンキなど大手量販店、パソコン専門店のピーシーデポコーポレーション、組立パソコン用パーツ専門店のアロシステムが出店しており、東京都西部で屈指の激戦区になっている。府中街道近くにヤマダ電機が「テックランド府中店」、甲州街道近くにコジマの「NEW府中店」とギガスケーズデンキの「ケーズデンキ府中本店」、ピーシーデポコーポレーションの「東府中店」がある。府中街道と交差する学園通り沿いには、アロシステムが「パソコン工房府中店」を昨年6月にオープンした。

屈指の激戦区、価格競争が激化

 ギガスケーズデンキは「府中本店」を東京都西部の旗艦店に位置づけており、ヤマダ電機やコジマは大型店舗でマーケットシェアを高めることに力を注いでいるため、ユーザーの争奪戦はますます激しくなっている。しかも、この地区のユーザーは、京王線府中駅やJR武蔵野線の府中本町駅、分倍河原駅などを利用して新宿駅まで約30分、秋葉原駅までも1時間以内で行ける。新宿や秋葉原など都心部も競合地区になるため、より価格競争などが激しい地区でもあるようだ。

 なかでも、組立パソコン用パーツに関しては価格にシビアなユーザーが多いという。秋葉原電気街に「秋葉原本店」があるアロシステムのパソコン工房府中店では、「当社の店舗を含め、秋葉原電気街のショップが提示する価格と比較されることが多い」(鈴木啓修店長)としている。同店では、パーツに関して秋葉原電気街より競合店が少ないことから、昨年6月のオープン当時は周辺の家電量販店をターゲットに価格勝負をしていた。しかし、「今では秋葉原電気街と大差ない価格をつけている」と、オープン当時と比べほとんどの商品を10%以上ダウンしたほど。しかも、品揃えに関しては秋葉原本店よりも充実させている。

「秋葉原電気街の価格帯と品揃えを踏まえて競争しなければ客を奪われる」と、府中市のユーザーが秋葉原本店に足を運ぶなら問題ないものの、秋葉原電気街で競合するショップで購入することを心配する。アロシステムが府中市に出店したのは、「東京西部のユーザーを増やす」ため。秋葉原本店に行かなくても、パソコン工房府中店の固定客として確保することが狙いだ。

 パーツは、ヤマダ電機やコジマ、ギガスケーズデンキの家電量販店でも扱っている。しかし最も安い価格を提示しているのはアロシステムだ。これが功を奏し、「府中市にある競合店のなかで、パーツユーザーを多く獲得しているのが当店だ」と自信を深めている。(佐相彰彦)
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