店頭流通
パソコンメーカー各社 春商戦モデルでAV機能をさらに強化 画質アップや多機能をアピール
2005/01/17 17:00
週刊BCN 2005年01月17日vol.1072掲載
NECは、春商戦向けの新製品としてデスクトップパソコン「バリュースター」とノートパソコン「ラヴィ」で10シリーズ25モデルを1月6日から順次販売開始した。最大の特徴は、同社独自の高画質エンジン「ビジタル」を搭載したテレビボード。従来は3回必要だったアナログとデジタルの変換回数を1回に減らす「デジタルダイレクト処理」により、映像処理をフルデジタルで行うことによる画質の劣化を最小限に抑えた。
富士通は、デスクトップ「FMV-デスクパワー」とノートパソコン「ビブロ」で8シリーズ36モデルを1月5日から順次発売。テレビ番組の録画予約を便利にする電子番組表の「キーワード検索機能」や、DVDメディアへの長時間録画、書き込み時間の高速化に対応した。また、AV機能を家電感覚で利用できるよう、リモコンの操作方法を画面で確認できる「リモコンガイド」を採用、使い勝手を向上させた。
ソニーは1月15日から「バイオ」10シリーズ56モデルの販売を開始した。2月には、バイオに保存してある映像などのコンテンツをネットワーク経由で別の部屋のテレビで視聴できるネットワークメディアレシーバー「ルームリンク」の新製品も発売する予定で、AV機器との連係を追求していく。
パソコンメーカー各社は、昨年の冬モデルに引き続き今年の春モデルでも、一段とAV機能を強化した製品ラインアップに仕上げてきた。これは、「テレビと遜色ない高画質を実現することで、エンターテインメントなどのパソコン活用が生活を豊かなものにすると訴えていく」(NECパーソナルプロダクツの片山徹社長)とした上で、「映像のデジタル化が進むなか、テレビやDVDレコーダーと比べてパソコンの方が使い勝手が良いとユーザーが意識するようになる」(同)との考えからだ。
AVパソコンは、価格下落の激しいパソコン分野で唯一付加価値を高め、利益率アップが可能な製品ジャンル。AV機能の強化は、「“AV分野でパソコンが何でもできる”とユーザーに一層アピールすることが拡販につながる」(同)という期待感の表れとも言える。
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