店頭流通

東芝 液晶テレビのラインアップ強化 地上デジタル放送エリア拡大を契機に

2005/02/07 18:45

週刊BCN 2005年02月07日vol.1075掲載

 東芝(岡村正社長)は、地上デジタル放送の全国拡大をにらみ、地上デジタルチューナー内蔵のハイビジョン液晶テレビ「液晶beautiful“face”」のラインアップ強化を図る。

 今回製品化するのは、「液晶beautiful“face”」の「LC100」シリーズで37V、32V、26V、23V型の4機種。今回、地上デジタルチューナー内蔵ハイビジョン液晶テレビに初めて23V型を加えた。3月から販売する。BCNランキングによる昨年12月の液晶テレビメーカー別販売台数シェアは、シャープ45.3%、ソニー25.9%、東芝10.4%となっている。東芝では新製品投入により、シェアを15%に引き上げることを狙う。

 家電メーカー各社は薄型のハイビジョンテレビを市場に投入しているが、高価格なこともあり、まだ一般消費者には浸透していない。しかし、地上デジタル放送が2006年末には全国の主要都市に広がり、2011年7月にアナログ放送が終了する予定になっていることから、「地上デジタル放送がテレビ買い替えの契機と考えている人をターゲットにしていく」(坂本典哉・デジタルメディアネットワーク社・コアテクノロジーセンターAV技術開発部第三担当グループ長)として、製品ラインアップの強化を図る。

 エリア拡大で、地上デジタル放送視聴を考えている消費者に、iLink端子やブラウザ機能などを省くことで価格を下げ、消費者の購入意欲を掘り起す。

 「液晶beautiful“face”」の「Lシリーズ」は、地上デジタル、BS、110度CSの3つに対応したチューナーを搭載。オープン価格だが、店頭実売価格は37V型が50万円前後、32V型が33万円前後、26V型が約28万円、23V型が23万円程度を予想しており、値頃感を出すことでユーザーを薄型テレビ購入に仕向ける。

 同社は、昨年11月にホームエンターテインメント環境の提案としてSDメモリカード、ブロードバンドルータ、AVパソコン、ハイビジョンHDDレコーダー、LAN HDD、HDD&DVDレコーダー、デジタルカメラ、USBキーボードを接続しコントロールできる「液晶beautiful“face”」の「LZ150シリーズ」を発売した。これらの技術を担う独自の映像処理システム「デジタル新頭脳メタブレイン」を「LC100」にも踏襲することで、テレビ画面上で番組の検索や録画予約ができる「faceネット」の利用ができるという。
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