店頭流通

クイックサン 10万円を切る27V型液晶テレビ ネット直販で市場投入

2005/03/07 17:00

週刊BCN 2005年03月07日vol.1079掲載

 パソコンおよび周辺機器メーカーのクイックサン(安達寛高社長)は、27V型のハイビジョン対応液晶テレビ「リベラQLA-2701V」を3月中旬からインターネット直販を中心に9万9800円(税込)で販売開始する。すでに予約注文が入っており、「個人が150件、法人が500-600件」(安達社長)に達しているという。

 ネット直販だけでなく、店頭での販売(オープン価格)にも力を入れていく方針。3月の出荷台数は500台で、5月には5000台に拡大していく。さらに今夏をめどに32V型、以降42V型の製品投入も目指している。

 クイックサンは、ベアボーンPCや液晶ディスプレイ、リモコンなどのパソコン周辺機器ビジネスを展開している。そのほかにも7インチの小型液晶ディスプレイやスウェーデン産の木をキャビネットに使用した液晶ディスプレイなどの製造・販売も手がけるなど「ニッチ市場での展開もしている」(安達社長)ユニークなメーカー。

 安達社長は、「9万9800円での製品化にめどがつけば液晶テレビ市場に参入するつもりでいた」と、比較的大型のクラスで10万円を切る価格設定ができるチャンスを狙っていたという。「独自にパネルをスポットで調達していることや、円高が追い風」となり調達コストが下がったことで液晶テレビ市場参入を実現した。「リベラQLA-2701V」は、高画質ハイビジョンに対応しD4端子を搭載、PC入力端子搭載によりインターネット接続が可能。製品サポートは専門会社に委託して対応している。

 大手メーカー製品に対しては、「まずは低価格で液晶テレビを買ってもらうことが目的」とする。今後、「誰もが利用するテレビの利便性を生かした製品展開を計画している」として、液晶テレビ本体以外の付属品の商品化やコンテンツ制作販売も進めていく。

 同社の昨年度(2004年8月期)の売上高は約16億円。今年度(05年8月期)は売上高20億円を狙う。中長期的にはIPO(新規株式公開)を目指し売上高100億円規模を目指している。そのうち「液晶テレビ事業では売上高50億円を狙う」(安達社長)という。
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