全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>70.山梨県甲府市周辺(上)

2005/03/28 18:45

週刊BCN 2005年03月28日vol.1082掲載

 山梨県の県庁所在地の甲府市で、家電量販店のシェア争奪戦が加熱している。3月19日にコジマが甲府市郊外の中小河原にあった「甲府店」を「NEW甲府バイパス店」として新装開店。甲府市富竹にある「NEW甲府」とのドミナント(高密度多店舗展開)で山梨県トップシェアのヤマダ電機を追撃する布陣を敷いた。

コジマ、山梨県でシェアトップ奪回狙う

 山梨県への出店が最も早かった家電量販店はコジマ。1988年に甲府市の郊外、交通量の多い国道20号線が通っている中小河原に甲府店をオープンし、甲府市を中心に県内ユーザーを多く集めてきた。NEW甲府バイパス店は、甲府店を改築し増床、地上3階建て売り場面積が2600平方メートルとコジマにとっては大型店舗の1つとしてリニューアルした。

 1階は150台を収容する駐車場。2階で冷蔵庫や洗濯機など白物家電を販売、3階がパソコンおよび関連機器、薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタルAV(音響・映像)機器を揃える。DVDや音楽CD、ゲームなどのソフトを専門に扱う「コジマソフト」も店内3階に設置した。商品数は、ハード機器が約1万アイテム、ソフトは約8000アイテムを用意。甲府店の時と比べ、売り場面積と商品数とも3倍に増やした。

 コジマは、かつて県内でシェアトップを確保していた。しかし00年以降、ヤマダ電機が甲斐市富竹新田に山梨県の旗艦店「テックランド山梨本店」と甲府市蓬沢町に「テックランド甲府店」を相次ぎ出店。ともに甲州街道沿いに店を構えたことで、コジマは甲府店に加え、NEW甲府を出店したものの、首位の座をヤマダ電機に明け渡すことになった。

 山梨県でのコジマとヤマダ電機の出店数は、ともに2店舗。コジマの方が先に山梨県進出を果たしたにも関わらず、後発のヤマダ電機にシェアを奪われたことについて、小島章利・コジマ社長は、「山梨県の旗艦店である甲府店の売り場面積があまりにも小さかった」ことが原因と語る。1000平方メートル以上の大型店舗を出店したヤマダ電機に対抗できなかったことが敗因というわけだ。

 しかし小島社長は、「これまでは2(ヤマダ電機)対1.5(コジマ)で戦ってきた。NEW甲府バイパス店のオープンでシェアトップを奪い返す体制が整った」と自信をみせる。(佐相彰彦)

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