店頭市場ピックアップ

ベアキットPCの販売動向

2005/05/16 16:51

週刊BCN 2005年05月16日vol.1088掲載

Shuttleが3週連続トップに

メーカーの競争激化は必至

 ベアキットPCのメーカー別販売台数シェアでShuttle(シャトル)が3週連続でトップを維持している。4月25日-5月1日の週は32.1%のシェアを獲得。キューブ型の「XPC」シリーズ「SS56G V3.0」などの販売が好調なことがシェア拡大につながった。

 BCNランキングによれば、春商戦が終盤を迎える4月4-10日まではAOpen(エーオープン)がメーカー別台数シェアで30%以上をキープして首位の座にあった。キューブ型の「XCキューブEZ65」を主力製品とし、「XCキューブEZ661Lシルバー」やスリム型の「A2845-P」などの販売が好調だったためだ。

 ところが、Shuttleが3月に「SS56G V3.0」を発売し、形勢が逆転。同製品はパソコン専門店やパーツ専門店などで徐々に売れ筋商品となり、4月11-17日に機種別台数シェアでトップとなり、同社のシェアも30%を超えるようになった。同製品は平均実売価格が1万6000円台と他社製キューブ型モデルに比べて低価格。これがユーザーから人気を集めたようだ。

 ベアキットPCは、マザーボードと電源、PCケースがセットになったもの。ある程度完成された製品なので、パソコンマニアだけでなく、自作パソコンの初心者も購入しやすい。ショップにとっては、来店者のユーザー層を広げるアイテムとして評価が高い。

 しかも、マザーボードなど最新技術を搭載した製品だけが売れ筋モデルというわけではなく、筐体のデザインもユーザーの購入動機を左右する。最新機種ではないマザーボードや電源のモデルでも売れる可能性が高く、パーツメーカーにとっても利益を確保できる商材。そのため、各メーカーはショップに自社専用コーナーの設置を提案したり、CPUとのセットで割安感を持たせるなど、あの手この手でベアキットPC市場でのシェア拡大に力を入れている。競争はますます激しくなっていきそうだ。
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