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スキャナの販売動向

2005/07/04 16:51

週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載

セイコーエプソン、キヤノンに肉薄

市場全体は漸減傾向

 スキャナ市場で、セイコーエプソンがトップシェアを堅持するキヤノンに急接近している。

 図は、BCNランキングの週次データをもとに、直近約1か月間のシェア上位2社の販売台数シェア推移を表した。

 5月30日-6月5日の週には、両社の差は17.8ポイントもあった。だが、6月13-19日の週にセイコーエプソンがキヤノンに一気に迫った。直近の週(6月20-6月26日)の差は6.2ポイントまで縮まっている。

 キヤノンは、「BCN AWARD」のスキャナ部門で4年連続最優秀賞を獲得しており、スキャナ市場で圧倒的な強さを誇っている。だが、プリンタ市場で熾烈なトップ争いを繰り広げてきた両社が、スキャナ市場でも僅差で争い始めた。

 セイコーエプソンのけん引役となっているのは、ネガやポジフィルムもスキャニングできる解像度4800dpiのミドルレンジモデル「GT-F600」。6月13-19日の週次データでは、前週に比べ平均実売価格が約3000円下がったことで販売が伸び、結果的にセイコーエプソンのシェアを押し上げた。キヤノン製品は、製品別販売台数シェアで1、2位を獲得するものの徐々にシェアを落としており、セイコーエプソンとの差は縮まりつつある。

 スキャナ市場は、全体でみれば漸減傾向にある。前年比の市場全体の販売台数はマイナス成長が続いている。かつては紙焼き写真のデジタル化ニーズがスキャナ市場を盛り上げる大きな要因となっていたが、デジタルカメラが普及したことで、スキャナを使用する意味が薄れてきた。加えて、スキャナを搭載した複合プリンタの台頭もスキャナ市場のマイナス成長に追い討ちをかけている。

 低迷続く市場で、いかに利益を確保していくか。メーカーにとっては、トップシェア争い以上に、今後は焦点となってくるだろう。
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