全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>86.埼玉県新座市(下)

2005/07/25 18:45

週刊BCN 2005年07月25日vol.1098掲載

 埼玉県新座市は、コジマがこのほどオープンした「NEW新座店」以外にも、家電量販店大手のギガスケーズデンキが「ケーズデンキ新座パワフル館」、パソコン専門店のピーシデポコーポレーションが「新座店」を出店している。3店舗とも、交通量の多い国道254号線、通称〝川越街道〟沿いに店を構えている。今後は、川越街道中心にマーケットシェア争いがますます白熱することになりそうだ。

国道254号線沿いで激戦

 現段階で新座市でトップといわれているのが、大型店舗を誇るギガスケーズデンキの「ケーズデンキ新座パワフル館」。液晶テレビやDVDレコーダーの品揃えが充実していることに加え、白物家電を競合店よりも多く揃えており、休日になると家族連れが多く来店する。しかも、アミューズメントパーク「セガワールド」が近くにあることも、幼児を連れた若いファミリーが訪れることを後押ししているようだ。

 また、ほかの店舗が売り場内に設置しているテレビやパソコンなどの修理コーナーは、駐車場近くに設けている。来店者にとっては、重い大型テレビなどを売り場まで運ぶ手間が省けるために好評だという。こうした点も、顧客を増やす要因につながっているようだ。

 パソコンおよび関連機器の品揃えや接客で消費者から圧倒的な支持を受けているのは、ピーシーデポコーポレーションの「新座店」だ。同店は、JR武蔵野線の新座駅から徒歩5分程度。コジマの「NEW新座店」に近い場所に出店している。パソコン専門店だけあって、パソコン上級者を中心に顧客を獲得。また、パソコン利用者の層が広がったことで、パソコン中級者の会社員や大学生が来店するようになった。最近は高校生になった自分の子供にパソコンを買い与える親も増えてきたという。

 新座市では、液晶テレビや白物家電などでファミリー層を中心に顧客を獲得しているギガスケーズデンキ、パソコンおよび関連機器でマニアをはじめとしたパソコンユーザーの来店が多いピーシーデポコーポレーションという構図が完成しつつあることから、他店と比べて得意商材がなかったコジマの「新座店」が「NEW新座店」として大規模なリニューアルを図ったことになる。

 「NEW新座店」は6月25日のオープンから1か月が経過し、具体的な来店者数を明らかにしていないものの、徐々にリピーターを獲得しているという。「競合店舗と十分に戦える」(コジマ)と、新座市のシェアが高まっていることに自信をみせる。

 現段階では、ギガスケーズデンキの「新座パワフル館」とピーシーデポコーポレーションの「新座店」ともに売り上げが減少するというような大きな影響は出ていない。しかし、コジマの「NEW新座店」に買物客が流れるようなことにでもなれば、ライバル各店舗ともリニューアルを図ることや価格戦略を強化するなど対抗策が必要になるだろう。(佐相彰彦)
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