秋葉原物語

<秋葉原物語>[第4部 イノベーション]44.家電量販最大のショップが始動

2005/09/19 16:51

週刊BCN 2005年09月19日vol.1105掲載

 ヨドバシカメラの新店舗「ヨドバシAkiba」が9月16日にオープン。  地下6階から地上9階建てで構成される巨大な店舗は、延べ床面積が約6万1400平方メートル、店舗面積が約3万3000平方メートル。店舗のうち地上1階から地上6階までを占める「マルチメディアAkiba」は、売り場面積が約2万3800平方メートルと家電量販業界で国内最大規模。アイテム数も65万種類を誇る。売り場面積とアイテム数ともにトップクラスの巨艦店が秋葉原地区に出現したわけだ。初年度の売上高は500億円を見込む。

 電気街・秋葉原への進出とあって、マルチメディアAkibaに特別なコンセプトを掲げる必要があるように思えるが、「特に秋葉原に思いは込めてはいない」(藤沢昭和社長)と意外なほどそっけない。しかし、「ファミリーを中心に多くのお客さんが来店するショップに仕上げた」(同)としており、「街の集客アップに貢献するなど、地域活性化につなげたい」意向を示す。

 さまざまな顧客層を来店させるというコンセプトは、店舗の構成を見れば理解できる。地下2階から地下6階は、秋葉原地区の「駐車場不足」を吹き飛ばすような大型駐車場を完備。400台が収容できる。地上1階には、パソコンや携帯電話端末を置いて顧客の来店を促す。2階にはパソコン周辺機器、3階がデジタルカメラなどカメラ関連機器、4階が薄型テレビなどAV(音響・映像)コーナー、5階に家電売り場を設置した。6階には、ゲームソフトや玩具、楽器などを揃え、ゲームマニアや子供、音楽を趣味とする顧客の来店を促すほか、フィギュアなどの販売も行うことで既存の“秋葉原ユーザー”の来店も狙う。7階は音楽CDショップ「タワーレコード」などテナントショップの専門店フロアとなっており、8階には飲食店が軒を連ねる。9階は、ゴルフショップに加えゴルフ練習場も設けた。

 しかも、首都圏新都市鉄道「つくばエクスプレス」の秋葉原駅やJR秋葉原駅の昭和通り口に直結しており、乗降客にとっても利便性が高い。多くの来店が見込まれるだろう。(佐相彰彦)
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