店頭市場ピックアップ

デジタルカメラの販売動向

2005/09/26 16:51

週刊BCN 2005年09月26日vol.1106掲載

松下、キヤノンを抜き首位に

新製品3モデルがけん引役に

 デジタルカメラ市場で、トップの座を維持してきたキヤノンに松下電器産業が競り勝ち、首位に立った。

 図は、BCNランキング週次データをもとに、直近約2か月間の上位5社の販売台数シェア推移を表した。松下電器は、7月18-24日の週では台数シェア11.2%で4位に位置していたが、直近の週(9月5-11日)では、シェアを6.3ポイント上げ、トップに躍り出た。

 松下電器を首位へと導いたけん引役は、8月26日に発売した新製品3機種。手ぶれ補正機能が特徴の「LUMIX FXシリーズ」の上位モデル「同DMC-FX9」と、16対9のワイド写真を撮影できる「同DMC-LX1」、光学ズーム12倍、800万画素の高性能モデル「同DMC-FX30」を新たに加えた。

 なかでも、「DMC-FX9」は、直近の週で早くも製品別台数シェア4位にランクインしており、大きな原動力となっている。

 一方、キヤノンは台数別では松下にトップを奪われた格好だが、金額別では、依然首位をキープしている。単価の高いレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ「EOS Kiss(イオスキス)Digitalシリーズ」が依然好調を持続していることなどから、20.9%の金額シェアを獲得(9月5-11日の週)している。

 国内のデジタルカメラ市場は、数年前の需要の強さに比べ成熟感は否めないが、レンズ交換式のデジタルカメラのヒットなどプラス材料もある。実際、直近の週では、販売台数と金額ともに前年同時期を上回っている。

 市場が成熟しているなかで、買い替え・買い増しニーズをいかにして取り込むか。松下電器、キヤノン含め上位5社は、7.4ポイントのシェアの差のなかでひしめき合っているだけに、ヒット商品を1機種を生み出せば一気にトップに躍り出る可能性もある。
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