全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>96.埼玉県川越市(上)

2005/10/10 18:45

週刊BCN 2005年10月10日vol.1108掲載

 埼玉県川越市では、パソコン専門店や家電量販店が、あの手この手の戦略を立ててマーケットシェアの拡大を図っている。

ニーズ創出でリピーター増やす

 家電量販店は、国道16号線などロードサイドに出店、冷蔵庫や洗濯機、エアコンといった白物家電、薄型テレビやDVDレコーダーなどのデジタルAV(音響・映像)機器といった大型商材の販売増を戦略の要としている。パソコン専門店は、川越駅近くに店を構えパソコンソフトをはじめとしてDVDソフトやゲームソフトなど学生や会社員が学校帰りや会社帰りに立ち寄って気軽に購入する商材の販売に力を注いでいるようだ。

 ソフマップの「ギガストア川越店」は、パソコンが最も売れ筋の商品というわけではない。その辺が、他のパソコンショップとは異なる。「どの商品も、均等に売上高を伸ばしている」(星宏行・店舗営業本部東日本営業部GIGA STORE川越店長)のが特徴だ。同店は、JRや東武東上線、川越線が停車する川越駅と、西武新宿線が停車する本川越駅から徒歩圏内にあり、「クレアモール」と呼ばれるショッピングストリート内に店舗がある。このストリートには百貨店の「丸広」をはじめ、飲食店や婦人向け洋品店、ドラッグストア、ゲームセンターなどが軒を連ねる。午前中には主婦や高齢者、昼から夕方にかけて高校生や大学生など、夕方以降のラッシュアワーに会社員などが訪れる。そのため、こうした来訪者向けに適した商品を販売しているというわけだ。

 なかでも、幅広い年齢層を顧客として増やすためのアイテムになっているのがDVDソフトやテレビゲームソフト、プラモデルやフィギュアといった玩具など。このほど増床を行った玩具コーナーは、「小学生から高校生、時には会社員などが来店する」という。ソフト関連では中古ソフトに人気があり、「購入者のほとんどが、新作の発売時に買いそびれたり、価格が安いといった理由でソフト関連コーナーに来る」という。「もちろん、中古ソフトだけでなく、新品も売れ筋」ということも付け加えておかなければならない。

 星店長は、「パソコン本体を購入するために訪れたお客さんが、この店にはDVDソフトが豊富に揃っていると意識すれば、リピーターになる可能性が高い」と語る。パソコンおよび関連機器の販売に執着せず、ソフトなどアミューズメント関連を豊富に揃えることが〝お客さんを呼び込む〟ことにつながり、「業績は伸びている」と自信をみせる。(佐相彰彦)
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