店頭流通

アップルコンピュータ 「iPod」の新製品発売が加速

2005/10/24 18:45

週刊BCN 2005年10月24日vol.1110掲載

 アップルコンピュータの携帯デジタルオーディオ「iPod」に続々と新製品が加わっている。9月に発売したフラッシュメモリタイプの超薄型「iPodナノ」に続き、このほど動画に対応したハードディスクドライブ(HDD)タイプの新製品を販売開始。トップシェアを維持している携帯デジタルオーディオ市場で、さらに競合メーカーを引き離す。iPodの好調な販売が起爆剤となり、デスクトップパソコンの新製品「iMac G5」の販売にも好影響を与えるといえそうだ。

 新しいiPodでは、容量が30GBのモデルと60GBのモデルの2種類を用意。液晶ディスプレイは2.5インチと、これまでのモデルと比較して0.5インチ画面を拡大させた。新製品の発売に合わせてサービスを開始した、デジタルジュークボックスとオンラインミュージックストアの機能をもつ「アイチューンズ6」により、ユーザーは音楽コンテンツに加え、2000種類以上のミュージックビデオや5タイトル強の短編映画、ディズニー関連のアニメなどを楽しめる。

 もともとアップルが日本でiPodを前面に押し出したビジネスを手がけるようになったのは、音楽分野からアップルファンを増やすことが最適と判断したため。国内パソコン市場でのMacのシェアが厳しい状況に陥り、アップルブランドの価値が下がりつつあったことが背景にある。ところが、最近では家電量販店やパソコン専門店から、「iPodで初めてアップルユーザーになった顧客が、iMacを購入するケースも出てきている」という声が多い。“iPod効果”でパソコンの販売も増やせる環境が整ったようだ。
  • 1