店頭流通

ソースネクスト 3年後めどに海外に進出 まずは米国、アジアや欧州にも

2006/01/30 18:45

週刊BCN 2006年01月30日vol.1123掲載

 ソースネクスト(松田憲幸社長)は、08年度(09年3月期)をめどに海外ソフト市場に進出することを明らかにした。海外でも、国内で展開してきた1980円など低価格なコモディティ化戦略を踏襲することで、「海外マーケットの拡大につなげていく」(松田社長)と意欲を燃やしている。

 最初にターゲットとするのは米国市場で、現地販売会社を設立する方向で調整を進めている。その後、欧州やアジアへと事業を広げていくことにしており、「販売会社に限らず、開発拠点として海外市場を活用することも検討する」としている。すでにインドのソフトメーカーとセキュリティソフト開発でアライアンスを組んでおり、既存の協業を生かした事業展開も視野に入れている。海外での販売価格は、今後詰めていくが、「1980円のように統一した価格帯で提供していく」考えだ。

 松田社長は、「パソコンソフトなどコンピュータ業界の製品は、ほかの業界と異なり、ワールドワイドで売りやすいはず」と考えてきた。しかし、「国内で発売されるパソコンソフトは海外からの輸入品が多いのが現実。国産品を増やしていくことが重要であり、日本発のソフトを海外で販売することが当たり前になるようにしたい」と将来構想を語る。

 今年度(06年3月期)は、販売本数が500万本規模、売上高の伸び率が前年度比30%増になる見通し。国内でのコモディティ化戦略が好調な事業の裏付けとなっている。同社製ソフトを販売するショップは、家電量販店やパソコン専門店、コンビニエンスストア、書店など3万店規模に達しており、「イチキュッパ(価格が1980円)コーナー」などと称した専用コーナーを設置する傾向も高まっている。昨年12月には、500円という破格の安値を実現したセキュリティソフト「ウイルスセキュリティ500」を市場に投入したことで、家電量販店と比べて客単価が安いコンビニエンスストアや書店で、ほかの商品を購入するついでに、同社のソフトを購入するケースも増えているという。

 松田社長は、「(コモディティ化戦略が本格化した03年度から)売り上げが5年間で3倍になれば成長したといえる」との成長戦略を掲げており、海外進出の成否が成長維持のカギを握っているといえそうだ。
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