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液晶テレビの販売動向

2006/02/13 16:51

週刊BCN 2006年02月13日vol.1125掲載

ソニー、5か月でシェア約10%アップ

ブランド転換が奏功

 液晶テレビ市場で、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア)」が、順調に販売台数を伸ばしている。

 図では、BCNランキングの月次データをもとに、過去5か月間の液晶テレビ市場の上位3社の販売台数シェア推移を表した。

 9月の時点で首位のシャープには33.6ポイントもの差をつけられ、松下電器産業と2位争いをするのがやっとだったソニーだが、その後、10月、11月、12月とシェアを徐々に伸ばしてきた。図で表している期間内で、12月は、ソニーとシャープとの差が14.7ポイントまで縮まった。

 ソニーは、10月1日にブラビアブランドとして初となるエントリーモデル2機種を発売し、10月20日、11月20日にもそれぞれ2モデルずつ新製品を投入。これが奏功し、シェアを押し上げた。旧ブランド「WEGA(ベガ)」からブラビアへの転換で、出遅れていた薄型テレビ市場で、まずは巻き返しに成功した格好だ。

 ただ、首位シャープも黙っているはずがなく、攻勢をかける方針を示している。06年度(07年3月期)の目標販売台数を、前年度比50%増の600万台とすると発表。大量生産体制構築に向け、06年度の連結設備投資額約2750億円のうち1900億円強を液晶関連事業に振り向ける計画。亀山第2工場の稼働時期を、「予定していた今年10月よりも、できるだけ早く前倒しする」(町田社長)方針も打ち出した。

 ソニーのシェアは伸びているものの、シャープのシェアを奪っての上昇ではなく、その他のメーカーから奪う格好で伸ばしている。また、直近の1月データでは、若干だが、ソニーのシェアは下がっており、減速感もある。

 まずは出足好調なソニーのブラビアだが、トリノ五輪、サッカーワールドカップなど需要を喚起するイベントが間近なこの時期にどこまでシャープに迫れるか。ブラビアの真価が問われる。

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