店頭流通

バッファロー 規格確定前に次世代高速無線LANを投入 デジタルホーム市場育成の切り札に

2006/06/19 18:45

週刊BCN 2006年06月19日vol.1142掲載

 バッファローは、次世代高速無線LANの新製品として、Air Station NFINITI(エアーステーション エヌフィニティ)シリーズを開発、7月上旬から中旬にかけて発売する。拡大する「デジタルホーム市場」を先取りする尖兵としての役割を託した製品だ。

 今回発売する無線LANは、IEEE802.11n規格に準拠した製品だが、同規格はまだドラフト段階で、正式決定は来年後半に予定されている。

 「デジタルホーム市場育成のためには、家中すみずみまで、高速でつながる無線LANが必須になる。それに最適なのがIEEE802.11n規格であり、まだドラフト段階だが主要規格は固まったので、早めにお届けすることにした」(山口英利常務)と発売の経緯を語る。

 同社は、デジタルホーム市場の開拓に向けて市場開発本部を設置するなど、本腰を入れ始めているが、その中核製品のひとつになるとみているのが高速無線LANだ。

 いま、ホームネットワークの用途というと、パソコンによるインターネット、メールなどの用途が主体であり、使う場所はリビングや書斎などで、つながりにくい場合は移動するなど、遅い無線LANでも何とか我慢できる段階にある。

 だが、今後は、「パソコンに加えて、デジタル家電、携帯ゲーム機、無線IP電話などもネットワーク機能を持ち、用途もオンデマンドテレビ、ホームサーバーなどに広がってくる。ベッドに寝ころびながらゲームや電話ができる時代がこようとしているわけだが、そのためには家中、すみずみまで、高速でつながる無線LANが必須になる」というのが同社の主張だ。

 同社の実証実験によれば、IEEE802.11nの実効速度は約80Mbpsで、有線LAN(100BASE─TX)に匹敵する速度を出せるという。現在の11gモデルより250%高速化していることになる。100m離れたところでも55Mbpsで通信可能で、障害物に強く、屋内でもつながりやすいことも確認できたとしている。

 スタート時のラインアップは、(1)ブロードバンドルータ単品モデルのWZR─G144N=2万6300円(2)同カードセットモデルのWZR─G144N/P=3万1500円(3)無線LANカードWLI─CB─G144N=1万1500円(以上3モデルは7月上旬発売)(4)PCIバス用無線LANアダプタWLI─PCI─G144Nが1万3600円(7月中旬発売)──を予定している。
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