店頭流通

パソコン各社の秋冬モデル 15.4型ワイド液晶ノートが相次ぐ 年末商戦のシェアを左右するか?

2006/09/04 16:51

週刊BCN 2006年09月04日vol.1152掲載

 PCの秋冬モデルが各社から相次いで発表されている。なかでも注目されるのが15.4型ワイド液晶パネルを搭載した新ノートPCが相次いで投入されたことだ。

 富士通は、BIBLOシリーズにおいて、15.4型ワイド液晶を搭載した製品をNFシリーズとして新たにラインアップ。秋冬モデルの目玉商品に位置づける。

 同社は、これまでこのクラスの製品投入を見送っていたが、市場の要求が高まっていることを背景に、新たな型番を用意し、本格参入した。

 本体カラーには、ヴィーナスホワイトを採用。白という誰にでも親しみやすいカラーを採用することで、男性ユーザーだけでなく、女性ユーザーの取り込みも視野に入れている。

 「当社が投入した秋冬モデルのなかでは、最も販売量が多くなると予想している」(同社)と強気の姿勢を見せる。

 一方、NECも、これまではハイエンドのLaVie Tおよび、ホームノートと位置づけられるLaVie Lベーシックタイプに限定していた15.4型ワイド液晶搭載モデルを、LaVie Lアドバンストタイプにまで拡張。丸みを帯びた新デザインを採用して、この分野での本格展開を図る。店頭向けには、シルバーの一色だけだが、ネット直販のNECダイレクトではほかに3色を用意し、選択肢を広げている。

 各社が15.4型ワイド液晶ノートに本格参入を図る背景には、個人市場において、急速な勢いで需要が高まっていることがあげられる。平均実売価格で13万円前後という購入しやすい価格帯であること、ウェブを2画面表示するといった使い方が行いやすいこと、DVDの映画をフルサイズで閲覧できるなどのメリットが受けている。

 BCNランキングによると、昨年10月には15インチ台の液晶搭載ノートPCに占めるワイド液晶の比率は、20.0%だったが、今年1月には38.2%に拡大。その後は、今年7月まで6か月連続で40%台を維持している。各社の秋冬モデルの行方次第では、ワイド型が半数を越える可能性もある。

 この分野ではdynabook AXや、dynabookTX/860を擁する東芝が先行し、圧倒的なシェアを誇る。また、ソニーもVAIO Fで東芝を追随している。

 年末商戦では富士通、NECの本格参入で、この市場が激化するのは明らか。15.4型ワイド液晶搭載ノートPCが、年末商戦の出荷構成比の上昇や、メーカーシェアに少なからず影響するのは間違いなさそうだ。
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