店頭流通

シャープ 液晶テレビで大画面攻勢かける 亀山第2工場の生産効率性を生かす

2006/09/11 18:45

週刊BCN 2006年09月11日vol.1153掲載

 シャープは、液晶テレビ「AQUOS」の新製品として、52インチ、46インチ、42インチの6モデルを発表した。10月1日から順次投入する。いずれも、今年8月から稼働した亀山第2工場で生産するパネルを採用。「亀山第2工場は、大画面化に適した第8世代の生産方式を採用して、旺盛な大画面モデルへの需要に対応できる体制が整う」(大塚雅章専務取締役国内営業本部長)としている。

 第8世代のマザーガラスは、52インチで6枚、46インチで8枚のパネルを最も効率よく生産することが可能。他社の第7世代や、亀山第1工場の第6世代のマザーガラス生産に比べて、大画面テレビにおけるコスト競争力が発揮できるとみられている。

 こうした強みを生かすことで、「国内における37インチ以上の液晶テレビ市場において、50%以上のシェアを獲得したい」(大塚専務取締役)と意気込む。

 また、今回の製品では、初めて国内、海外の同時発売を実現。「とくに、北米市場におけるブランド確立、シェア拡大という点で大きな効果が見込める」としている。

 北米では、これまで30インチ台の製品を主力としていたことから、主流となる大画面テレビで苦戦を強いられていた経緯がある。

 新製品によって、52インチを中心としたマーケティング戦略を北米で推進するほか、過去最大規模の宣伝広告費を投じて、同市場における地盤づくりに取り組む考えだ。

 先頃、米ディスプレイサーチが発表した第2四半期の全世界における液晶テレビのシェアは11.8%となり、2位から3位に順位を落とした。

 大塚専務取締役は「早期に15%のシェアを獲得したい。そのためには、北米での大画面モデルの販売が大きく作用することになる」と、北米戦略を重視する考えだ。

 なお、今回の新製品投入によって、国内における同社の液晶テレビ製品は、13インチから65インチまで12サイズをラインアップ、39機種の品揃えとなる。
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