楽器、音響機器、音楽制作・編集ソフトなど、音を楽しむためのあらゆる商品を揃えるローランド。音源とパソコンを接続して楽曲データをやりとりするための規格「MIDI(ミディ)」関連製品は、BCNランキング「MIDI部門」で6年間トップをキープしている。最近では高音質WAVE/MP3録音プレイヤーもヒットした。ローランドの音楽にかける熱意、トップメーカーを維持し続ける強みを聞いた。 木村剛士 取材/文 大星直輝 写真

音に関するあらゆる製品を揃える「高品質」をブランドとして貫く

 ――ローランドが持つモノづくりの精神とは何か。

 「『Change&Focus』という言葉がある。顧客の声に耳を傾けて変化を続けることと集中する分野を決めて経営資源を投入し、品質向上と技術革新を徹底的に追求することを意味する。ローランドは音楽を楽しむための製品開発に力を注ぐという精神を、創業以来貫いている」

 ――先進的製品を投入するために、具体的にどのような取り組みを行っているか。

 「一例としてプロデューサー制度がある。1つの商品を開発する際、1人の責任者を立てて、必要な人材をそのつど集める。ローランドが持つさまざまなノウハウを融合させるための施策だ」

 ――BCNランキングのMIDI部門で、6年連続トップを獲得した。この結果をどう分析するか。

 「これまでの実績と、豊富な製品群を持つことで培ったブランド力を多くの人に評価してもらっている。音をつくって編集し、そして聞くという一連のニーズを満たす製品群をローランド以上に揃えているメーカーは世界的にも存在しない。ローランドは6つのブランドをつくりラインアップを揃えている。音楽に関するあらゆる提案が可能なことが最大の強みだ」

 ――パソコンで音楽の制作・編集するニーズは強まっているか。

 「確実に強まっている。携帯オーディオプレイヤーの普及で、楽曲データをパソコンに取り込むことが当たり前になった。パソコンで音楽を管理する環境が整ったことで、デジタル音源をつくったり、編集する需要も相乗的に強まったと感じている。聞く側だけでなく、制作する側のデジタル音源への関心が高まっているのだ。インターネットの普及で、演奏・制作した楽曲を誰もが公開できる状況になった。演奏した音楽をデジタル化し、公開する動きはますます高まるはずだ」

 ――高音質のWAVE/MP3プレイヤー「R-09」が好調だ。

 「予想以上に伸びている。当初の見込みよりも50%増で推移している。音づくりにこだわるローランドらしい製品だ。軽量コンパクトの筐体で、24ビットの録音に対応する。ギターやピアノの演奏を録音するための用途が中心だが、会議用などビジネスユースでも利用されている。価格は他社製品よりも高めだが、音質のよさは抜群だと、非常に高い評価を得ている」

 ――ハードウェアのイメージが強く、ソフトウェアの印象が薄いが。

 「ハードと同様に豊富なラインアップを持ち、品質も決して劣ってはいない。ただ、高機能だけに、初めてのユーザーには使いにくい面があった。今後、ユーザーインターフェイスを一新した新商品を出す予定だ。音楽の制作、編集においてソフトの重要度はますます増してくる。総合メーカーとして、ソフトのラインアップも強化し続ける」

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■シェア50%に迫る圧倒的強さ

 ローランドは、BCNランキング直近週次データ(10月16-22日)の「MIDI部門」で、台数で47.4%、金額では39.8%を獲得する。2位ヤマハ、3位コルグに圧倒的差をつける。製品別上位10製品のなかでは、ローランド製品の6モデルがランクインしている。6年連続トップシェアを獲得する強さは、今年も変わりはない。

 製品別ランキング1位のUSBオーディオキャプチャー「UA-4FX」は、24bit/96kHzの高音質録音・再生に加え、音質補正機能や真空管アンプ・モデリングでさまざまな音楽編集に対応する。レコードやカセットテープのアナログ音源をパソコンに取り込んだり、マイクやギターを直接接続し、音源をパソコンに録音することもできる。