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エレコム、周辺機器でPCの使い方提案

2008/07/07 18:45

週刊BCN 2008年07月07日vol.1242掲載

 コモディティ(日用品)化しているパソコン。成熟化した市場のなかで需要を喚起するため、パソコンメーカー各社は試行錯誤を繰り返してきた。その結果、今ではコンシューマ向けモデルにはAV(オーディオ・ビジュアル)機能を搭載するのが当たり前になっている。今年は、北京五輪の開催年。映像の需要を取り込もうと“五輪商戦”はヒートアップするに違いない。

キーワードは“デジタル”

―エレコム 柴田幸生取締役営業部長

 そんな状況下、「無理矢理パソコンをAV機器化するのは、果たして良いことなのだろうか」と、周辺機器メーカーであるエレコムの柴田幸生・取締役営業部長は疑問を投げかける。パソコンをテレビ代用品に位置づけるよりも、「使い方を提案することが重要」と説く。

 映像ニーズが高まっているからといってAV機能を前面に押し出しても、薄型テレビの需要をパソコンに振り向かせるのは難しい。根本的に「テレビはリビングに置いて家族が団らんするためのもの、パソコンは個人で楽しむためのもの、といったようにニーズが異なる」からだ。となれば、パソコンならではの提案が必要になってくる。そのために、「周辺機器メーカーが存在する」と強調する。

 周辺機器を含めたパソコン関連ならではの提案スタイルが確立すれば、量販店にとってはパソコンと周辺機器のセット販売が促せる。もちろん、周辺機器メーカーは拡販ができることになる。さらに、パソコンメーカーにとっては、AV機能に力を入れるよりも、パソコン機能を最大限に発揮させる自社オリジナルのアプリケーションを開発するほうが、新しいビジネスの創造につながるのではないだろうか。

 オリンピックイヤーの今年、エレコムが力を入れるのは、当然ながら映像関連だ。このほどロジテックブランドで地上デジタル対応チューナーを発売した。周辺機器メーカーの立場から、「パソコンにチューナーを取り付け、映像編集など個人で楽しむためのパソコン用途を訴えていく」としている。また、ホワイトボックスユーザーが機能拡張のために購入することも想定する。昨年はデジタルオーディオプレイヤー関連の製品発売に力を注いだ結果、スピーカーやヘッドホンなどが好調な販売実績をあげたそうだ。

 「“デジタル”をキーワードにAVとパソコンの融合を図っていくような新しい製品を次々と市場投入する」と鼻息が荒い。デジタル周辺機器の総合メーカーに変貌したエレコムならではの自信の現れだ。(BCN・佐相彰彦)
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外部リンク

エレコム=http://www.elecom.co.jp/