店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】エレコム(下) スタンスは、ソリューション提案

2009/10/22 18:45

週刊BCN 2009年10月19日vol.1305掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(上)では各社の販売戦略や体制を、(下)では現場の奮闘ぶりを追う。

小寺 利昌
量販大阪支店長
 エレコムは、量販店を回る営業担当者をすべて自社で賄う。このスタンスは以前から変わっていない。販売店を回ることを目的としているのではなく、店長や店員とコミュニケーションを取りながら、親密な人間関係を構築することが重要だと考えているからだ。

 現場では、「日ごろからいろいろなコーナーに顔を出す」(小寺利昌・量販大阪支店長)といったように、「たわいもない会話」のなかから、量販店側のニーズをキャッチするようにしている。売り場を忙しく動き回る店員と立ち話ができるような関係をつくるのは、決して容易なことではない。地道だが、日々の積み重ねが成果に繋がっているのだ。本社が練った販売店向けの戦略を、それぞれの販売店にあわせて“料理”して提案することが営業担当者の仕事。積み重ねた信頼関係をもとに「ソリューション」提案するスタンスだ。

 その成果の一つが、ゲーム売り場に進出できたこと。パソコン周辺機器売り場に行かないゲームユーザーに、ゲーム売り場で無線LANアダプタを訴求することで、販売量が急激に伸びた。売り場をまたいだコーナー設置の提案ができたのも、日ごろからの深い人間関係があったからだ。一方、関係が薄い販売店からは、提案を突き返されたこともある。しかし、その販売店が困っていることを聞き出し、什器の組み方やレイアウトなど、売り場づくりを提案をしながら、信頼関係を取り戻した。とにかく相手の「話をよく聞くこと」から始まる。

 「話をよく聞くこと」に徹する小寺支店長は、こんな経験をしたことがある。エンドユーザーからのクレームを受けて、ユーザーの自宅を訪問した。最初は怒りを露わにしていたユーザーだったが、話を聞くうちに感情の高ぶりが落ち着き、最終的には夕食を用意してくれるほど心を開いてくれたのだ。「義理、人情、浪花節」。すべての源は人間関係である。(田沢理恵)
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