頂上熱戦

【頂上熱戦】「ハガキ・毛筆ソフト」(下) クレオとジャングル

2009/11/19 16:51

週刊BCN 2009年11月16日vol.1309掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

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Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】
(1)店頭でのアピール策は? (2)拡販施策は?  (3)今後の取り組みは?



Answer.クレオ

(1)【アピール策】「筆まめ」のパッケージデザインは、ハガキソフトということもあり、「和」テイストでほっとなごむイメージ。パッケージデザインに力を入れているほか、製品陳列では空箱で大きな鳥居を作ったり、什器を充実させたりしてお客さまの目につくような施策を打っている。また、お客さまが手に取りやすく棚に収めやすいよう、他社がA4サイズのところB5サイズのパッケージで提供している。

(2)【拡販施策】接客が第一だ。対面販売が大切で、デモスタッフなど販売応援を充実させる。店舗によっては、とくにラウンディングに力を入れる。欠品を起こして販売チャンスを逃すような事態を招かないためだ。なお、話題の「Windows 7」は盛り上がりをみせており、PCなどのハードは売れるだろうが、ソフトはなかなか期待できないとみている。

(3)【今後の取り組み】プリンタなどのハードウェアメーカーと協業し、集客を図っていく。プリンタ売り場でも「筆まめ」の製品説明などができるようにし、ここ3年はキヤノンやワコムと協業している。量販店には、他コーナー展開により用紙やプリンタなど周辺機器も合わせて付加価値をつけて提案できると考えている。ソフト市場は縮小傾向が続くが、什器やPOPなどを活用し、製品をアピールしていきたい。店頭販売は「筆まめ」全体の売り上げの7割を占めているが、一方でECサイトも伸びている。Amazonを中心に好調だ。また「筆まめ Online」は若い層に人気で、今後はECサイトでダイレクトマーケティング施策を進める。


益田俊男 筆まめサービス事業部 コンシューマ営業部部長

Answer.ジャングル

(1)【アピール策】露出がまだまだ弱い。地道に実売を積み上げていきたい。ラウンダーの手売りのほか、デモマシンの環境を用意したり、実際のハガキに印刷したものを展示したりしている。また、空箱を使って飾り付けでボリューム感を出し、正月を演出している。正月をイメージしたBGMもその一つだ。

(2)【拡販施策】都心の大手量販店は、店舗スペースが広く、メンテナンスが行き届いている。PCの設置で演出効果を狙う。一方、郊外店は中型店・小規模店のソフトウェア売り場が縮小中で、プリンタコーナーで製品展開したり紙什器を設置したりしている。毎年売り上げが下がっている年末商戦で、シェアの拡大には、ラインアップを増やしてユーザーターゲット層の拡大を図る。加えて家電量販店に限らず、ホームセンターなどでも製品展開し、ソフトウェア売り場に足を運んでもらうようにしている。ソフトバンクBBのエリア営業とも連携していきたい。

(3)【今後の取り組み】ハガキソフトの市場を盛り上げるには、業界全体の取り組みが必要だ。クレオやエコリカなどとメーカー間で連携する試みは、その一環だ。ネットでブログキャンペーンを打ったり、店頭での共同キャンペーンを張るなどをしてきた。今年度はまだ実施していないが、今後検討したい。市場が縮小していくなかで、メールで済ませてしまう方々に対して「新しさ、うれしさ」という部分をどうアピールしていくかが課題で、施策を練っている段階だ。

神垣卓矢 ソフトウェア事業本部 営業部部長代理
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