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<Close UP New Products>No.24 無線LAN内蔵モバイル・ルータ(下) ベンダーに聞く製品の強み

2010/03/04 16:51

週刊BCN 2010年03月01日vol.1323掲載

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単体でインターネットに接続

 持ち歩いて、無線LAN対応機器を「いつでもどこでも」インターネットに接続できる無線LAN内蔵型モバイル・ルータ。実は以前から、データ通信カードを接続して使用するものは存在していた。最近、店頭で人気を博しているイー・モバイルの「Pocket WiFi(D25HW)」やNECアクセステクニカの「Aterm WM3300R」は、通信モジュールを内蔵し、単体でインターネットに接続できるのが特徴となっている。

 通信事業者として初めて通信モジュール内蔵型の製品を販売するイー・モバイルの経営戦略本部商品企画部移動機グループの加藤一郎課長は、「データ通信カードを接続する必要がなく、かさばらない。通信モジュールを内蔵しながら、ポケットに入るコンパクトサイズは画期的」と、通信モジュール内蔵タイプの利点を語る。

 同じくNECアクセステクニカも、手のひらサイズの「Aterm WM 3300R」を販売している。「Pocket WiFi」は3G回線を使用するが、こちらはWiMAX回線を利用。通信スピードは、「Pocket WiFi」が下り最大7.2Mbps、上り最大5.8Mbpsなのに対し、「Aterm WM3300R」は下り最大40Mbps、上り最大10 Mbpsと、断然速い。

 しかし、WiMAXはまだサービスエリアが狭いうえ、「Aterm WM 3300R」はバッテリ駆動時間が約2.5時間で、約4時間の「Pocket WiFi」に比べると物足りないなど、それぞれに強みと弱みをもっている。

 現在、この2機種の認知が広まりつつあるが、今後は他社も参入してくる可能性が高い。

 イー・モバイルは「今後はさらに高速化していきたい」(加藤課長)との方針を示し、NECアクセステクニカは「接続性や利便性など、ユーザーからあがってきた改善点は一つひとつ解決していく」(マーケティング本部の笹崎宗忠リーダー)としている。他社が参入することで、通信モジュール内蔵タイプの無線LANモバイル・ルータはさらに進化していきそうだ。

「名刺サイズで、4時間動く。こんな製品はなかなか見当たらない」と、自信をみせるイー・モバイルの加藤一郎課長
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