カシオ計算機はデジタルカメラの修理サービスに力を入れている。サービスステーション(SS)の窓口や引き取り、送付などの修理でスピードを軸にしたサービスを展開。他社よりも修理時間を短縮し、いち早くユーザーの手元に返却することで顧客満足度(CS)の向上とカシオのデジカメのファンづくりにつなげる。

時間短縮でCS向上、ファンづくりにつなげる

小澤康之
カシオテクノ リペア事業推進部次長
 目玉は「クイック修理サービス」。SSに故障品を持ち込めば60分で修理を完了する。レンズ、基板、フラッシュ、外装の交換などに対応。東京の秋葉原SS、大阪SS、福岡SSで行っている。「他社よりも短時間に修理を行うことでCSを高め、再購買につなげる」(SSを運営するカシオテクノの小澤康之・リペア事業推進部次長)のが狙いだ。

 カシオでは、短時間修理を実現するためにデジカメの構造を工夫している。例えば、落下などで件数が最も多いレンズ修理。これに対応するために、レンズをユニット部品にして、交換するだけで修理できるようにした。また、ユニットは製品個別の調整用データを必ず付け、そのデータを使えば、交換したレンズでピント合わせ調整などの作業が短時間で済むようにしている。

太田康成
カシオテクノ 経営戦略部次長
 一方、電話やウェブ経由での引き取りや、直接カシオに故障品を送るといった修理サービスでは、受付から3日後にはユーザーの手元に修理品を届けるようにしている。修理しやすいカメラ設計に加えて、「他社よりも多い」(太田康成・経営戦略部次長)という全国5か所に修理専門センターを設け、地域ごとに細かく対応する体制を整えた。量販店の窓口経由での修理依頼も店舗には3日で返送しており、「所要日数が短い、とダントツの評価をもらっている」(太田次長)という。修理中にデジカメを必要とするユーザーには、全国9か所のSSで12機種の代替機を貸し出すサービスも行っている。

 加えて、修理した製品を返却する際にはカメラの取り扱いについて注意を喚起するチラシと、依頼した修理に関連した操作時のトラブルを解説したチラシを修理品に必ず同封している。

 「修理を依頼したユーザーが同じ間違いをして、同様の故障で再度修理に出すことになれば、ストレスを感じるはず。チラシを使って注意を呼びかけることで、不要な修理を避けてもらいたい」(太田次長)との考えからだ。

秋葉原SSには1日平均10件の修理依頼がくる

 取り扱いのチラシでは、故障が多いレンズ部分と液晶モニタの取り扱いについて注意を促しており、落下を防止するためにストラップを使って撮影することや、レンズ部をぶつけたり、レンズが出ている状態でカメラをテーブルなどに置かない、などといったことを勧めている。

 操作時のトラブルに関してのチラシは、よくあるトラブルについて写真を使って要因と対処方法を丁寧に説明してあり、「故障だと思っても、カメラの特性などで故障ではないことも多く、それを知ってもらう」(小澤次長)ことを狙っている。

 例えば、オートフォーカス(AF)に設定していてピントが合わない場合、まず、カメラが被写体のコントラストを検出してAFでピントを合わせている仕組みを説明。被写体のコントラストがなくてピントが合わないケース、被写体が暗くてコントラストが低いためにAFがうまく機能しないケース、被写体の動きが速くてAFが追従できないケースなどに分けて解説している。チラシの封入は、窓口をはじめとするすべての修理サービスで行っている。

レンズ修理はユニット交換方式で時間短縮を実現

藁谷幸司
カシオ計算機
CS企画管理部 国内企画室室長
 修理料金は定額制。修理区分を「レンズ修理」とレンズ以外で分解修理が必要な「普通修理」、分解不要の「軽修理」に分け、一部機種を除いて3675~1万2075円の6メニューにした。「完了までわかりにくかった料金を事前に明確にして、ユーザーの不安を取り除く」(小澤次長)という狙いで導入した。

 カシオは窓口を中心に修理サービスを充実させてきたが、ユーザーがホームページ経由での修理サービスを重視していることが、独自調査でわかっている。具体的な施策は検討中だが、「今後はウェブでの引き取り修正サービスを強化していく」(藁谷幸司・CS企画管理部国内企画室室長)考えだ。(米山淳)