地域No.1店舗の売れる秘訣

<地域No.1店舗の売れる秘訣 あの人気店はこうしてつくられた>J&Pテクノランド――情報機器では他店に負けない 日本屈指のPC専門店の地位を確立

2015/03/05 18:44

週刊BCN 2015年03月02日vol.1569掲載

 日本の三大電気街の一つだった大阪・日本橋のでんでんタウン。今では、ほんのひと握りの専門店だけが生き残っている状況だが、そのなかで、PCを中心に情報機器で他店に負けない豊富な品揃えの店舗として高い評価を受けているのが上新電機のJ&Pテクノランドだ。PC専門店のなかでは日本屈指の大型店舗に位置づけられ、PCやPC関連の販売で自他ともに認める地域No.1店舗の地位を確立している。(取材・文/佐相彰彦)

 

J&Pテクノランド

川井彰 店長
【店舗データ】
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋5-6-7
オープン日:1981年10月
売り場面積:約3300m2
従業員数:およそ55人

【店長が語る人気の理由】
 入社して初めての配属先がJ&P(現J&Pテクノランド)、その後は郊外店などを回り、商品部の業務に携わったこともある。J&Pテクノランドの店長に最初に就任してから月日がたつが、その後も、他の店舗や本社での業務を経験。3年ほど前に店長として再び戻ってきた。

 入社してから25年ほどが経過して、「日本橋は大きく様変わりした」という意識が強い。PC専門店が激減したというのが主な理由だが、「だからこそ、当店のような存在が重要になってくる」。PC専門店でさえもスマートフォンの販売に力を注ぐ店が現れているが、徹底的にPCにこだわった結果、そのことが他店との差異化につながっている。
 

PCやサブカルチャーが混在する街 J&Pテクノランドは約30年の歴史

 でんでんタウンは、かつて日本の三大電気街の一つとして、PCや組み立てPC用パーツを販売する専門店が多く建ち並んでいた。しかし、国内市場の成熟とともにPC専門店の閉店が相次ぎ、代わりにサブカルチャーショップの出店が盛んになった。こうして、家電だけではない要素をもつ街へと変貌している。アニメの漫画本やフィギュア、トレーディングカードなどを求めるマニアのほか、免税店が軒を連ねていることから、外国人観光客が買い物を楽しんでいる。

 でんでんタウンで生き残っているPC専門店や家電量販店は、どん底を味わいながらも顧客をつかんで離さないというしぶとさをもっている。でんでんタウンの一角にある通称「オタロード」と呼ばれる地域には、アニメ系のショップが軒を連ねているほかに、組み立てPC用パーツ専門店もあり、平日の夕方には学生で賑やかになる。休日には、年齢を問わず幅広い層が来訪。デジタルとサブカルチャーの融合を実現した街になっている。

 そのでんでんタウンのなかで、PCや関連製品に関して、圧倒的な品揃えで群を抜いて数多くの来店者を確保しているのが大型PC専門店のJ&Pテクノランドだ。1981年のオープンで、30年以上の長い歴史をもち、親子三代にわたって常連になっているお客様も少なくない。「その常連のお客様がクチコミで店を宣伝したり、知人などを紹介してくださったりする」。川井彰店長は、常連が新規客を呼んでくれることで、顧客のすそ野が広がっていることを強調する。「あくまでもPCをテーマとする製品を販売することにこだわっている」。PCの販売が厳しいといわれているなか、果たしてJ&Pテクノランドは、どんな戦略で業績を伸ばそうとしているのか。
 

全盛期と比べればPC専門店は少なくなったが、いまだ健在のでんでんタウン
 

J&Pテクノランドの近隣に免税店がオープンして外国人観光客が増えている

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