うまさの秘密は羽釜の「空間」にあり

東芝ホームテクノ
家電商品企画部調理機器グループ
川元 順子 グループ長 ご飯を美味しく炊くには何よりもまず強い火力が必要になる。IHジャー炊飯器では沸騰直後に火力を加え続けると吹きこぼれるので、「間欠加熱」という熱源であるIHヒータのオン・オフを繰り返しながら火力を抑えている。東芝(室町正志社長)の高級IHジャー炊飯器RC-10ZWH(税別の実勢価格14万円前後)は、沸騰後も連続して熱を加え続けられる。
「沸騰直後の連続加熱で、旨み成分の元であるおねばがたくさん出てくる。これを米にコーティングすると旨みが増す」と、東芝ホームテクノ調理機器グループの川元順子グループ長は語る。日本で初めて東京芝浦電気(現東芝)が自動式電気釜ER-4をつくってから60年となる今年。こだわったのは昔ながらのかまど炊きの味だ。それを再現するための「羽釜」は、内釜の羽から上の部分の大きな空間によって、連続して加熱しても吹きこぼれずにおねばをつくり出すことができる。
「かまど本羽釜」は熱を伝えやすいアルミと発熱効率の高い鉄を重ね合わせている。釜底や上部の厚さを変化させることができるのも、溶けたアルミを型に流し込んで約800トンもの高圧プレスで成型する東芝独自の溶湯鍛造製法があるからこそ。その後に削り出して丸みを帯びさせて熱対流をよくするなど、ご飯の美味しさをとことん追求するために、内釜ひとつとっても随所にこだわりの技術が込められている。(BCNランキング 細田立圭志)

「真空圧力IHジャー炊飯器」RC-10ZWH