15歳の決意表明
高校1年の1学期、入ったばかりの進学校を中退した。「社会に影響を与える人間になりたい」。そのためには学校に通うよりも社会に出て、世界を回ったり、事業を起こしたりすることが近道だと考えた。その当時、両親と教師に宛てた手紙にはこうしたためている。
「(社会を変える)才能があるかはわからない。けれど、やり続けることは今決めたから」
21歳で最初の起業を果たした。しかし、紆余曲折の末、オーナーシップを失い、社長を解任された。それでも、経営者の道を諦めることは微塵も考えなかった。「この生き方を選んだことに、後悔は1ミリもない」。15歳で示した決意は、20年が過ぎた今でも揺らいでいない。
コロナ禍が再成長の契機
「新型コロナ禍は会社の弱い部分を露呈した」。リモートワークの拡大は自社商材であるオンライン営業ツールの市場を広げたものの、主な顧客領域であるBtoB営業では、普及著しいTeamsやZoomによって自社製品が置き換えられるケースが増えた。創業以来初めてと言ってもいい苦境だが、それが進化につながった。あらためて自社の課題を洗い出し、ターゲットを金融・保険を中心としたリテール営業へシフトするとともに、機能面の拡充も図った。「かなり堪える1年だったが、ようやく再成長し始めた」と前を向く。
「裸の王様」にはならない
社内では役員らの指摘に積極的に耳を傾ける。「一般社員に言ったらパワハラとか人格否定になるのでは」と思うほど厳しい意見もある。「大人にもなって、なんでここまで言われなきゃいけないのか」。辛く、悔しい一方で、経営者としてはそうあるべきだとも考える。
「自分は完璧じゃない。人の話を聞いて、プライドを抑え、行動を変えていかなければ『裸の王様』になってしまう」
どんな人にでも、どんな企業にも弱さはある。しかし、重要なのは、弱さと向き合える強さがあるかどうかなのだろう。
プロフィール
中島一明
1985年生まれ、福岡県出身。起業を志し、高校を3カ月で中退。15歳で土木会社に就職し、貯めた資金で世界一周の旅をしながら200枚のビジネスプランを作成。2007年、21歳で1社目を起業し、中小企業経営者を動画で紹介する広告メディア「社長.tv」を全国展開する。1社目を退任後、15年にベルフェイス設立。
会社紹介
オンライン営業システム「bellFace」の開発・販売など。bellFaceはアプリインストールやURL発行などの事前準備を不要とし、電話とPC・スマートフォンを使って、資料や画面の共有が可能な点が強みで、国内でおよそ3000社以上の導入実績を有する。