これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Srush・樋口海・代表取締役CEO」を取材しました。
意思決定を変える
長年携わってきた営業のスキルを向上させるため、MBA(経営学修士)の取得を目指していたとき、経営者の意思決定に興味を持った。今思えば、これが起業のきっかけの一つになったと振り返る。
トップダウン型の企業が多い中、経営者の感情による決定と、それに振り回される従業員という構図は多く存在する。
感情に引きずられた意思決定は、会社にとってよくない結果をもたらしてしまうことも少なくない。だからこそ、意思決定のプロセスを変えていきたい。
半信半疑がちょうどいい
かつて、データ分析の結果に基づき、営業のスケジュールや顧客へのアプローチの仕方を徹底的に管理しようとしたことがあった。
しかし、結果として運用されなかった。人や組織の数だけさまざまなやり方が存在しているため、データだけですべての意思決定をすることは、必ずしもいい結果につながるわけではないからだ。
目指しているのは、データをあくまで一つのヒントにしてもらうこと。過信せず、利用する際は「半信半疑くらいがちょうどいい」と話す。
データ分析を身近に
社名は、かつて米国で起きた「ゴールドラッシュ」をもじった「セールスラッシュ」からつけた。データ分析SaaS「Sales Rush Board」を提供する自社を「つるはし」に見立て、最終的に営業における「金脈」を掘り当てる助けをしたいと思っている。
企業がデータ分析を取り入れるハードルは決して低くなく、特別な人にしか使えないものになってしまっている面もある。データ分析がもっと身近になる未来を見据え、つるはしを求める声にこれからも応えていく。
プロフィール
樋口 海
1988年生まれ。NTTの法人営業部で大手自動車企業を担当し、グローバルインフラの導入に従事。退職後、シンガポールで日系製造業の営業戦略を担当。帰国後、製造業向けSaaSを提供する会社の立ち上げを経て、2019年に代表取締役としてSrushを共同創業。早稲田大学卒、一橋大学大学院商学研究科修了(MBA)。
会社紹介
2019年11月設立。「データ分析をもっと簡単に思い通りに」をキーワードに、SFAやCRMに関わる人向けにデータ集計やグラフ化などができるデータ分析SaaS「Sales Rush Board」を提供している。