これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「クロスビット・小久保孝咲CEO」を取材しました。
スタートアップだからできること
事業を起こす際に重視したのは、「スタートアップだからこそできること」だった。小回りが利く強みを生かせば、大手企業が注力することが難しい課題の解決につながると考えたからだ。事業に本気で取り組めば、必ず問題は解消できるとの確信があった。
目指すのは、働き手が求める働き方を選べるようになる社会だ。しかし、一人一人が希望する条件を反映した働き方を実現するには、人力だけでは管理が難しい。各自が働き方を選択できる社会を実現するため、デジタルでその仕組みを構築し、働き手だけでなく雇い手である企業も支えたいとの思いが現在の事業をかたちづくった。
理想を押し付けるのは間違い
しかし、上手くいくことばかりではなかった。参入当時は顧客の業務に対する知識が十分でなく、商談しても会話に登場する専門用語がわからないこともあった。毎週のように顧客とコミュニケーションを取り、次の話し合いの際には、早速アウトプットしたシステムを試してもらった。綿密なヒアリングが事業の成長につながった。
顧客と意思疎通する中で、「サービスを提供する側の理想を押し付けるのは間違い」と気づいた。机上の空論では課題を解決することはできない。具体的な現場の意見を反映させて、顧客が本当に欲しているものを提供することこそが大切だ。
無限の可能性をつくり出す
事業のポテンシャルは「1000億円、2000億円のレベルではない」と見通す。花開かせられるかどうかは、自分たちの頑張りにかかっている。
社名には「情報量の最小単位であるビットを掛け合わせ、無限の可能性をつくり出す」との思いが込められている。同じ志を持ったメンバーが集まり、社内の体制は整いつつある。ビジネスを構成する最小単位に当たる社内外の人や、ぞれぞれが提供してくれる時間を大切にしながら、事業のギアを上げていく。
プロフィール
小久保孝咲
東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業。在学中に転職エージェントで法人営業マネージャーを経験。2016年4月にクロスビットを創業。
会社紹介
シフト管理サービス「らくしふ」のほか、パート・アルバイトに特化した労務管理サービス「らくしふ労務管理」やアルバイト採用サービス「らくしふワーク」を展開している。