これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「パートナープロップ・井上拓海代表取締役/CEO」を取材しました。
生きてきた意味を残す
過去に自身の命に関わる事態に遭遇したことがある。その時、大きなショックとともに頭をよぎったのは、「自分は何も成し遂げられなかった」という後悔の念だった。
幸いなことに命は拾えた。それからは「自分が死んだとしても、生きてきた意味として、世の中に何かを残したい」と強く思うようになった。その気持ちが経営の原点にある。
「熱狂」が成長をもたらす
会社は従業員の自己実現の場であると考える。一人一人のやりたいことを具体化できる機会を用意すれば、働き手の意欲はもっと高まる。一般的な企業は、会社として取り組みたい事業を分解し、仕事として従業員に割り振るケースが多いが、自社は真逆だ。「従業員の実現したいことに基づいて会社がミッションをつくり、仕事を割り振るようにしている」
結果として、仕事に納得感が生まれ、働き手はより夢中になって臨むようになる。言わば仕事に「熱狂」している、とも表現できる状態だ。熱狂は通常の何倍もの生産性を創出し、企業の成長にも大きくつながる。
価値を普及させるエンジンに
前職でSaaS系商材のパートナーチャネルの立ち上げに携わり、企業の協業で事業が大きく成長する場面に立ち会った。例えば、キャッシュレス決済。今では社会で当たり前のように使われているが、企業同士が手を取り合って推進したからこそ広く普及した。
このような「新たな社会」を、企業の協業で生み出すことに大きな可能性を感じている。
目指すのはパートナー連携管理ツールとして「アジアナンバーワン」の地位だ。自分たちがエンジンとなり、顧客の有するより良いサービス、社会的価値を世の中に普及し、顧客の成長を後押ししたい。弱いエンジンでは、その役目は果たせない。より一層強いエンジンへと鍛え上げ、社会を前進させていく。
プロフィール
井上拓海
1996年生まれ、川崎市出身。リクルートのSaaS事業で「Airペイ」などAirシリーズのアライアンスの戦略設計から推進までを手掛ける。その後、同社でプロダクトマネジャーとして新規事業の立ち上げを経験。2023年5月にパートナープロップを創業。
会社紹介
「共創関係を深め、新たな社会を創出する」をミッションに掲げ、パートナービジネスの課題を解決するパートナー連携管理ツール「PartnerProp」を開発・提供している。