これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「SQUEEZE・舘林真一代表取締役CEO」を取材しました。
伸び代しかない
学生時代、バックパッカーとしていろいろな国を訪れた。異国を旅することで、より日本は魅力的だと感じた。日本を訪れる外国人は増え、訪れたい国としても上位に上がるが、ポテンシャルはまだまだ高いとみる。「日本にはコンテンツもサービスも優れた面白いものがあり、観光には伸び代しかない。超成長産業だ」
一方で、ホテルなどの宿泊業は労働集約型で、テクノロジーが入っていないのが現状。人手不足が顕著な業界をITの力で変えることを目指している。
一気通貫で宿泊DXを加速
宿泊施設の収益性を上げ、働く人がコア業務に集中できるようにするため、チェックインをオンラインで対応するクラウドレセプションや、宿泊料金の自動調整、マーケティング、客室の清掃まで一手に引き受け、オペレーションを最適化するサービスを提供。生産性の向上に貢献している。
北海道北広島市の野球場「エスコンフィールド」内のホテルやその周辺の街づくりには、計画段階から参画。地元である北海道の活性化にも一役買う。「システムを入れるだけでは大きな変革は起きない。オペレーションもセットにすることで宿泊業のDXは加速する」との信念がある。企画から運営まで一貫支援しているホテルは全国各地に増えている。
長く太く走る
観光業が逆風にさらされたコロナ禍を乗り切って今がある。経営で大変なこともあるが、日本、アジアそして世界へと宿泊DXの波を広げたいとの思いがモチベーションになっている。おもてなしの国で培ったサービスの質は、世界でも通用するとして「ローカルにインパクトを与える事業を、グローバルの視点で展開していきたい」と意気込む。
日々大切にしているのは、凡事徹底。率直に、愚直にやり続けることが思い描く未来に近づく道だと信じる。「業界を変えるインフラになる」ために、長く太く走り続ける覚悟だ。
プロフィール
舘林真一
1989年生まれ、北海道旭川市出身。東海大学政治経済学部卒業後、ゴールドマンサックス証券シンガポール支社に勤務。トリップアドバイザーシンガポール支社を経て2014年、SQUEEZEを創業。
会社紹介
宿泊施設の企画・再生、ホテル運営ソリューション、街づくりやDX企画などを展開。オンラインチェックインシステムなど自社開発のホテル管理運営システムを提供する。カンボジアに現地法人を持ち、クラウドコンシェルジュ事業を行っている。