標準化と無償利用を経て　製品・サービス提供が活発化

　インターネットでのデータ交換は、XML形式が主流となりつつある。XMLでは、利用者が自由にタグを定義することにより、文書中の文字列に意味づけができる。つまり、文書をデータとして処理することを可能とする。

　XMLをベースとする財務報告の標準化仕様として「XBRL」がある。「XBRL」は、企業が作成した財務諸表をXML形式で公開することにより、投資家や企業情報提供事業者などによるデータの高度利用が促進される。01年4月25日には、日本公認会計士協会が中心となり「XBRLジャパン」を設立。同年11月にはXMLコンソーシアムとの協業で「XBRL」の普及啓蒙活動を活発化させている。

　インフォテリアとクレオ、イーブリッジの3社が共同開発したコンタクト情報の記述・交換の標準仕様「ContactXML（コンタクトXML）」は、（1）宛名管理ソフト間のデータ移行、（2）名刺情報の一元化および共有、（3）ビジネスシーンにおける担当者情報の電子的な交換、（4）合併・分社などにおける動的人事管理、（5）イベントやeコマースサイトでの個人情報提供の簡略化、（6）医療・保険などの申請手続きの簡略化―などのメリットをもたらす。

　コンタクトXMLの開発と同時に設立した標準化プロジェクト「ContactXML・org」では、ベンダーやユーザーが同プロジェクトに登録するだけで、コンタクトXMLの無償利用が可能だ。

　XMLの普及が見込まれるのは、企業間の電子商取引といわれている。EDIシステムをXMLで構築すれば、インターネットを利用したウェブブラウザで電子商取引が可能となる。

　「e-Japan重点計画」のなかに、「03年度までに実質的にすべての申請・届出等手続をオンライン化するため、個別手続のオンラインシステムの整備」とある。XMLの普及は、申請・手続きのオンライン化にもつながるといえる。（佐相彰彦）