その他
遅れる中小企業のセキュリティ 販社には大きなビジネスチャンス
2002/06/10 15:00
週刊BCN 2002年06月10日vol.944掲載
セキュリティ市場が大きく伸張しているなか、中小企業のセキュリティ対策が遅れている。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の調査によると、セキュリティシステムの導入費用、IT部門のセキュリティ対策などは、従業員1000人以上の大企業と同1000人未満の中堅企業では大きな差が出ている。中小企業向けセキュリティ市場はいわば“手つかずのマーケット”。販社やシステムインテグレータにとっては大きなビジネスチャンスだ。それにもかかわらず、中小企業のセキュリティシステム導入が進まない要因はどこにあるのか。どういった攻め方をすれば、中小企業へのシステム導入は進むのか。
情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンターが公開した「情報セキュリティの現状2001年版」によれば、情報セキュリティ市場は製品・サービス合計で2000年度の692億円に対し、01年度は867億円、02年度は1087億円と着実に成長している。
ウイルスの脅威、データの流出といったセキュリティ問題が大きく報道されるなか、「中小企業もセキュリティへの関心は高い」と、中小企業向けビジネスの担当者は口を揃える。
しかし、実際の導入は思うように進んでいない。 JUASの調査は、従業員1000人以上を大企業、1000人未満の企業を中堅企業と規定、比較的規模の大きな企業を対象としている。それでも大企業と中堅企業では導入費用や社内体制で大きな差が出ている。
アンチウイルスソフトやファイアウォールなどは導入が進んでいる。一方、全社規模でのセキュリティ対策では、経営者の理解不足、専任管理者の不在、複数製品導入によるコスト増大などが障壁となっている。 また、アンチウイルスソフトを導入しても、アップグレードが遅れてウイルスに感染してしまうといったトラブルも少なくない。
セキュリティベンダーでは、「確実なセキュリティを保つには、導入後の管理と見直しが不可欠」と訴える。もっとも、コスト面からセキュリティベンダーの要求をすべて受け入れられるわけではない。
中小企業にセキュリティシステムを導入するポイントはどこにあるのだろうか。中小企業向けのコンサルティングサービス「オープンコンサルティングプロジェクト」を推進するシーガル・桑山義明社長は、中小企業ユーザーにセキュリティを導入した経験から、次のように指摘する。
「顧客データや見積もりデータが流出し、競争相手に渡ることは中小企業にとって死活問題である。セキュリティ製品を説明するのではなく、経営の根幹に関わる部分を守るにはどうすべきかをまず説明する。そのうえで、必要な商品を勧めると問題なく導入できる」
セキュリティソリューションに力を入れている大塚商会では、「中小企業が自ら進んでセキュリティシステムを導入するケースは多くない。しかし、最近は、取引先の大企業が策定するセキュリティレベルに達しないと商談を断られるケースが増えている」と指摘する。
今後、中小企業も経営を守るためのセキュリティ導入に迫られることは間違いない。単なるIT業界のトレンドとしてではなく、その企業が必要とする経営面から、セキュリティ対策をアドバイスすることが、中小企業にセキュリティシステムを販売する有力な方法といえそうだ。
セキュリティ市場が大きく伸張しているなか、中小企業のセキュリティ対策が遅れている。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の調査によると、セキュリティシステムの導入費用、IT部門のセキュリティ対策などは、従業員1000人以上の大企業と同1000人未満の中堅企業では大きな差が出ている。中小企業向けセキュリティ市場はいわば“手つかずのマーケット”。販社やシステムインテグレータにとっては大きなビジネスチャンスだ。それにもかかわらず、中小企業のセキュリティシステム導入が進まない要因はどこにあるのか。どういった攻め方をすれば、中小企業へのシステム導入は進むのか。
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