その他
SEに求められる資質とは コミュニケーション能力
2003/04/14 15:00
週刊BCN 2003年04月14日vol.986掲載
パソコンの互換テストなどを行う企業として1992年に誕生したオープンインタフェースは、4月1日付で創業者である純浦誠氏が社長から退き、後任に常務取締役の杉山文彦氏が就任する人事を実施した。この理由を純浦氏は、次のように説明する。「パソコンのテスト分野では独占的といえるほどの地位を確立することができた。しかし、ウィンドウズの互換性が高まった結果、昨年は周辺機器のテスト依頼はあったものの、パソコンのテスト依頼は1件もなかった」
「これはあらかじめ予測していたことで、すでに通信のテスト、アプリケーションソフトの開発と新しい事業を立ち上げて、こちらは順調に成長している。通信事業を手がけ、成長させてきたのは杉山であり、社長職は杉山が務めるのが最適であると判断した」パソコンの互換テスト依頼が1件もなくなる――。メーカーごとにパソコンの仕様が大きく異なっていた時代を知る者にとっては、感慨深い事実である。パソコンビジネスも大きく変化したのだと痛感せざるを得ない。
10年前のパソコン業界は、DOS/Vの登場で、従来のようにメーカー間の互換がないという状況が崩れつつあった。それでも、DOS/Vパソコンが100%互換がとれていたかといえば、必ずしもそうは言えなかった。周辺機器メーカーやソフトメーカーは、どのメーカー製パソコンに対応するかによって、ビジネスの中身が大きく左右された。周辺機器やソフトウェアの分野で国産ベンチャーが活躍しているのも、日本独自仕様がいわば蕫参入障壁﨟となり、国産メーカーを守る役割を果たした影響が大きい。
ところが、今やニッチの時代は終わりつつある。互換性が高いといった点よりも、製品としての真の機能の良し悪しが問われる時代となってきた。システム開発の世界でも、SE(システムエンジニア)には10年前とは異なる資質が求められているという。ウィンドウズ関連のシステム開発を手がけるナルボの斎藤友男社長は、「10年前のSEは、開発ツールが整っていないなか、いかにシステムを構築していくかという能力が求められた。しかし、今のように開発ツールが整ってくると、システム本来の構造を理解していないSEでも、それなりのシステムを作り上げることができるようになった」と語る。
そして、現在のように開発ツールが整った状況において、優秀なSEの条件とは、「顧客の要望をきちんと聞き取る耳の良さをもっていること」だという。10年前に優秀とされた技術者は、整っていない環境の中で、ビジネスとなり得る製品やシステムを作ることに長けていた。しかし、今やある程度のレベルの製品やシステムを作る環境は整っている。評価される製品やシステムを作るためには、顧客の要望をきちんと聞いて、質を高めていく努力が必要だ。
ここ数年、「コミュニケーション能力の高さが技術者に必要」という経営者が増えている。これこそまさにIT業界に環境の変化が生じたことで挙がった声といえるだろう。一方通行の技術では通用しない時代になり、きちんと顧客とコミュニケーションを行ったうえでシステムを作り上げる技術が求められている。技術一辺倒の社員教育では通用しない時代である。あなたの会社は新しい時代に合った社員教育が出来ているだろうか。
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