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中国ファーウェイスリーコム、日本市場に進出 統一ブランドでネット関連機器を拡販
2005/03/07 15:00
週刊BCN 2005年03月07日vol.1079掲載
中国の大手ネットワーク関連機器メーカー、華為3Com技術(ファーウェイスリーコムテクノロジー)が対日ビジネスを本格化する。同社は、中国の華為技術(ファーウェイテクノロジーズ)が51%、米3Com(スリーコム)が49%を出資し2003年11月に発足。これまで「ファーウェイ」と「スリーコム」の両ブランドを展開してきたが、日本進出にあたってはこれを統一し、「ファーウェイスリーコム」として拡販を図っていく。ディストリビュータのネットワールド(中村康彦社長)が販売代理店となり、近くルータとスイッチを販売開始する予定だ。まずはローエンドモデルで中堅・中小企業市場を開拓。3年後をめどに国内ネットワーク関連機器市場で10%のシェアを目指す。(佐相彰彦●取材/文)
3年後にシェア10%を目指す
■中国国内シェアはシスコに次ぐ33%
ファーウェイスリーコムのルータ、スイッチなどの製品は、リング状につないだ複数のスイッチを仮想的に1台のスイッチとして動作可能な独自技術「IRF」を採用しており、スイッチのうち1台に障害が発生しても、う回して通信路を確保できるのが特徴。端末の増加に合わせて容易にポート数を増やせるほか、LANの耐障害性も向上できる。
世界50か国で販売を展開しており、昨年末までの出荷実績はルータが32万セットを超え、LANスイッチも1000万ポート以上に達する。
昨年度(04年12月期)の売上高は4億USドル(約420億円)。中国のネットワーク関連機器市場では33%のシェアを占めており、米シスコシステムズに次ぐベンダーとして名を轟かせている。シューシェン・チェン社長兼COOは、「設立から約1年で大きな成功を収めた。いずれはシスコを抜きたい」と自信をみせる。
従業員は約2500人。そのうち55%がR&D(研究開発)部門に所属しているほか、売上高の10%を開発投資に充てることで、「売れる、良い製品が開発できる」(チェン社長兼COO)と言い切る。生産面ではEMS(電子機器の受託生産)会社を活用することでコストを抑え、「競合他社より2割程度の低価格で販売している」(広報関係者)ことも中国で第2位のシェアを獲得した要因の1つとなっている。
こうした実績を背景に、「日本を戦略的な市場としてビジネスを拡大していく」(チェン社長兼COO)との方針を決め、05年を日本市場開拓のスタート年に位置づけた。チェン社長兼COOは、「日本市場では、『ファーウェイスリーコム』ブランドの製品を出荷する」と、現在「ファーウェイ」と「スリーコム」に分かれているブランドの統一を明らかにしている。
■日本独自のパートナープログラム
日本では、「パートナー企業との協力関係を深めていく」(チェン社長兼COO)ことをビジネス拡大策の柱に据える。日本独自のパートナープログラムとして、販売パートナー向けの「アドバンスト・ディストリビュータ」、開発パートナー向けの「アドバンスト・サーティファイド・パートナー」などを設置し、パートナー企業を開拓。「今年4月をめどにパートナー体制を確立する」(同)予定だ。サポートについては全国69か所にサービスセンターを設置するのに加え、今年4月には東京にテクニカルサポートセンターを開設する予定だ。
アドバンスト・ディストリビュータについては、スリーコム製品の国内トップディストリビュータだったネットワールドとこのほど販売代理店契約を結んだ。ネットワールドの中村社長は、「単に製品を流すだけでなく、システムインテグレーションを含めて拡販を図っていく」方針で、「まずはスリーコムの顧客だった企業に価格やサポートなどの面をアピールしていきたい」と意欲をみせる。ファーウェイスリーコムでは、3年後をめどに日本で10%のシェア獲得を目標に掲げる。
ここにきて、中国パソコン最大手の聯想集団(レノボグループ)が米IBMのパソコン事業を買収し、日本国内にも日本法人を設立するなど、中国企業が日本市場に参入する動きが活発化している。ファーウェイスリーコムの親会社、ファーウェイは1988年に設立された純粋な民間企業で、グローバル市場での実績と注目度ではレノボをも凌ぐといわれる。国営企業と違い、自らの力で成長してきた経緯があるだけに、日本企業とのパートナーシップ次第では日本市場に深く食い込む可能性はある。
中国の大手ネットワーク関連機器メーカー、華為3Com技術(ファーウェイスリーコムテクノロジー)が対日ビジネスを本格化する。同社は、中国の華為技術(ファーウェイテクノロジーズ)が51%、米3Com(スリーコム)が49%を出資し2003年11月に発足。これまで「ファーウェイ」と「スリーコム」の両ブランドを展開してきたが、日本進出にあたってはこれを統一し、「ファーウェイスリーコム」として拡販を図っていく。ディストリビュータのネットワールド(中村康彦社長)が販売代理店となり、近くルータとスイッチを販売開始する予定だ。まずはローエンドモデルで中堅・中小企業市場を開拓。3年後をめどに国内ネットワーク関連機器市場で10%のシェアを目指す。(佐相彰彦●取材/文)
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