コンピュータ関連サプライ販売のプライム（加藤晴義社長）は、データストレージ事業の売上高を現状の3倍に引き上げる方針を打ち出した。文字記入が可能なバーコードラベルの発売で磁気テープへの標準添付などを進め、ストレージ関連機器メーカーとのパートナーシップも強化する。データストレージ製品販売の専用サイトを開設、今年入ってからは専門部署も設置した。

　同社が提供する「バーコードラベルサービス」は、最短で当日出荷、小ロット／低価格での提供、磁気テープへの貼付代行などが特徴。今年に入ってからは、社名や日時などの記載が可能なラベルもラインアップした。価格はテープの種類や枚数などによって異なるが、LTOのラベルで20枚あたり5000円に設定している。

　文字記載が可能なラベルを製品化したことで、これまで取引のなかった磁気テープメーカーからラベル貼付の新規依頼があったという。加藤社長は、「ニーズが高かったことから製品化した。確実にユーザー企業を囲い込める」と自信を示す。

　同社は、プリンタやスキャナなどパソコン周辺機器をはじめ、インクトナーやコピー用紙、パソコンデスクなどコンピュータ関連サプライ品の販売を主要事業として手がけている。データストレージ関連製品の販売増に乗り出したのは昨年8月。データストレージ専用のサイトをオープンし、通信販売を中心に事業の拡大を図ってきた。今年に入ってからは、専門部署「首都圏営業本部サプライ営業課」を設置しており、「データセンターなどテープ保管量が多い企業からの案件獲得を進めている」という。大企業やSMB（中堅・中小企業）を問わず、ストレージに関する需要が増えている状況のなか、「国内テープ市場は成熟しているものの、買い増しを中心に、まだまだ需要は多い。近い将来、データストレージ事業を第二の柱に成長させる」考えだ。

　今回、データストレージのなかでもバーコードラベルに焦点をあててラインアップを拡充したのは、「磁気テープの管理を簡易化するために、バーコードラベルに対するニーズは増大してきている。ラベル販売は、小さな案件が多いことからストレージ関連ベンダーが面倒でやりたがらない分野だ。しかし、競合が少なく隙間を縫ったビジネスとして、ユーザーやパートナーを確保すれば、大きなビジネスチャンスになる」としている。同社では、ラベルをベースに磁気テープの販売増につなげることも狙っている。