大塚商会（大塚裕司社長）が提供しているセキュリティソフトのASPサービスが好調だ。同社では、今年3月から「セキュリティワンコインサービス」を中堅以下、主にSOHOなどに対して提供している。また、オフィス用品販売サイト「たのめーる」や新規で立ち上げるウェブサイトで同サービスの販路を広げる考えだ。

大塚商会がASPサービスで提供するのは、トレンドマイクロのアンチウイルスに、クオリティの「ISM」の機能であるWindowsUpdate自動更新機能を組み合わせたもので、1クライアントあたり月額500円で提供する。

　同社は、顧客企業70万社のうち、セキュリティ関連製品を数万社に提供している。「中小企業のあるトップと話をした際、セキュリティにどの程度投資すればよいのか分からないとの悩みを聞いたことが契機になった」と、西川靖彦・マーケティング本部テクニカルプロモーション部OSMグループ2課課長は背景を語る。

　こうした指摘を受け、中堅以下の企業に対して最低限のセキュリティを提供する目的で今年3月からサービスを開始した。

　営業を介して直接サービスを展開するほか、今年6月からは既存顧客へのオフィス製品販売サイト「たのめーる」でも販売を始めた。また、新規顧客向けに窓口となるウェブサイトを立ち上げ、販路を広げる。今後はウェブでの売り上げが拡大するとみる。

　トレンドマイクロとクオリティのサービスを組み合わせたことについて「トレンドマイクロには当社からASPサービスを打診した。また、クオリティからはASPサービスの提案を受けていた。トレンドマイクロのASPサービスを提供している競合は複数社あるが、クオリティのWindowsUpdate自動更新機能を組み合わせたことで差別化を図った」（西川課長）。

　SOHOでは、個人向けパッケージを使用している企業も多く、クライアントPCを一元管理できないなどの課題があった。WindowsUpdate自動更新機能を付加したことで、各クライアントのWindowsOS用セキュリティパッチの更新やアンチウイルスのパターンファイルの状況などを一元的に把握できるようになった。