
OKIデータ(杉本晴重社長CEO)はこのほど、国内メーカー初となるマッキントッシュの「Mac OS X」に対応した水平ドットインパクトプリンタ(SIDM)用の純正プリンタドライバを開発した。2月23日から同社ホームページで無償ダウンロード提供を開始。一般オフィスのプリンタ需要が低迷するなか、同社は「特定用途」向け戦略を積極展開し、新たなプリンタボリュームの在り処を探している。今回の「Mac OS X」対応はこの一環で、極めて「ニッチな市場」への展開となる。この関連でどの程度SIDMが伸びるか未知数だが「SIDMの利用シーンはまだある」と、販売に際し既存販社へも利用を促す。
OKIデータは2007年5月から同社が得意とするマック・ユーザーの要望を受け、「Mac OS 」対応のドライバ開発に着手。一部ユーザーに「サンプル版」を提供し利用状況を調査した。
これまでマックのプリント環境では、「Mac OS X」のパソコンからSIDMを利用する際、専用ドライバを個別開発するか、やむなく用紙サイズが限られる市販のSIDMを利用するほかなかった。
また、最近では、マック・ユーザーに広く利用されている簡易データベース「FileMaker」を駆使して業務用途でマックを使う企業が増えている。しかし、連続帳票や複写伝票、宅配伝票などの特殊帳票印刷に対応するSIDMがないという課題があった。このため「水平式の当社主力SIDM3機種(MICROLINEシリーズ)対応のドライバを開発した」(営業支援課の丹治浩一氏)としており、ドライバ提供に加えサポートも行う。
同社によると、SIDMの国内市場は年間約9万台。このうち約9割が水平式のSIDMとみられる。ただ、同社主力のLED(発光ダイオード)プリンタなどのページプリンタに比べて年々市場が縮小する傾向にある。国内で出回るSIDMは、同社製品とOEM提供製品、セイコーエプソン製品しかなく、実質2社寡占状態の成熟市場。そこをあえて「伸ばそう」とする理由は「他社にない『Only One』の領域だから」(丹治氏)と語る。
闇雲に展開しているようにもみえるが、大手ディストリビュータによれば、「FileMaker」の伸びは顕著で、業務用途にマックを使う中小企業が増えているそうだ。また、大手ディストリビュータや販売系SIerなど「売る側」としてもWindowsPCに比べ粗利率の高いマック製品を積極的に販売する傾向がみられる。ちなみに同ドライバ、エプソン製のSIDMでは使えない。同ドライバはOKIデータ製SIDMの新たな「囲い込み」に繋がり、これを打ち出し「流通=売り手」と潜在需要を掘り起こすことが販売台数を増やすうえでの課題となる。(谷畑良胤)