大塚商会(大塚裕司社長)の中間期(2009年1~6月)連結業績は、景気低迷の影響を受けて減収減益となった。期初には09年12月期の中間期業績予想を減収減益としていたが、純利益を除き計画値も下回った。サーバーやパソコン、複写機などハードウェアの需要の落ち込みが鮮明で、「たのめーる」などのストックビジネスが支えた格好だ。大塚社長は「IT活用のニーズはあるが、買え控えが続いている」と、底打ちしたといわれる景気のなかで実需が戻ってきていないと情勢を分析する。ハードが伸びる見通しが立たない状況で、新ビジネスモデルの創出が必要になっているようだ。
ビジネスモデルの変革期か?
大塚商会の中間期の業績は、売上高が前年同期比9.8%減の2281億円、営業利益が同40.9%減の110億円、経常利益が同41%減の112億円と、大幅な減収減益となった。純利益も同40.4%減の63億円と落ち込んだが、計画値に対しては0.8ポイントのプラスとなった。四半期業績の公表のたびに明らかにしている従業員1人当たりの売上高は、2717万円と4年前の実績にまで下がり、昨年度の中間期に比べ11.3ポイント減少した。
大塚社長は、個別の要因についてこう語る。「『たのめーる』自体の価格要求も出始め、カラー出力はしない傾向で、保守料金の値引き交渉も相次いだ」。また、サーバーやパソコンなどのハード販売を含めたSI(システムインテグレーション)事業が昨年度中間期の1520億円から1256億円まで減らしたことで、さらに売上高を引き下げる結果となった。
ただ、現在「10周年キャンペーン」を実施中のオフィス関連商品のインターネット・カタログ通販「たのめーる」は、今年6月に単月売上げ100億円を突破。6月だけを見ると、前年同期に比べ120.2%も伸びている。「業界内のエポックメーキングになっている」(大塚社長)と、環境関連で需要が増大しているLED(発光ダイオード)照明の販売などを強化。ライオン事務器へのOEM(相手先ブランドによる生産)供給している「NAVILION」を含め、「たのめーる」事業だけで今期中に年間1000億円を目指す。

同事業を除く重点戦略領域には停滞感があり、今中間期で計画値も下回ったが、「たのめーる」の売上効果や「WiMAXなどに潜在需要があり、マイクロソフトの新OS需要が動き始めた」(大塚社長)ことなどを見込み、今期予想の売上高4470億円、営業利益1850億円の目標値は変更しない。ただ、SI事業などのビジネスモデルが変革期を迎えていることは確かだ。SaaS・クラウドなどの取り組みについて記者の質問に答えた大塚社長は、「国内で確実に収益につながるモデルが描けていない」と、いまのところ参入することはなさそうだ。(谷畑良胤)