NECを筆頭に各地域の販社で構成する「NEC-NETグループ」の参加企業による協業が、ここにきて一段と強化されている。新規開拓に向け、地域を越えて販社同士で販売面でアライアンスを組むといった動きが活発化してきた。共同で新しい製品を開発するケースもある。厳しい市場環境のなか、複数の力を集結させて事業拡大を図ろうとする姿がみえる。
NEC-NETグループは、NEC系販社の団結力を強める目的で1969年に結成された。NECをはじめ現時点で37社が参加している。結成当時は、「NEC」のブランド力を前面に押し出すことによって、地域販社が地元での知名度を高めるという意味合いが大きかった。しかし現在は、販路の拡大、新しい製品・サービスの創造など、実ビジネスに結びつけるために販社間でアライアンスを組むといった動きがあり、団結の方向性が変わってきている。
東北地域では、販売面での協業強化を進めている。東北6県で参加企業が開発する製品を担ぐ体制を構築中で、NEC-NETグループのシナジーを発揮する。青森電子計算センター(青森市)の井上宏専務は、「当社の顧客企業にNEC-NETグループに参加する他社の製品を紹介すると、案件が獲得できるケースがある。他社でも、そのような例が出ている。それぞれが得意な業界で拡販していけば、大きなビジネスに膨れあがるのではないか」と期待する。福島県中央計算センター(福島市)でも、「例えば当社は福島県北部に強いというように、それぞれが得意な地域をもっている。地域密着型の強みを生かす」(齋藤幸夫社長)と戦略を述べる。
九州地域にも、NEC-NETグループを活用してチャネル開拓を図るベンダーが存在する。南日本情報処理センター(鹿児島市)では、自社のセキュリティ製品「セキュアシード」を、「各地域で販売できないかどうかを模索している」(中裕社長)という。どのような地域や業界に売れるか検討するほか、「販売先のメリットになるようなアライアンスを組みたい」との考えを示している。
また、九州と沖縄の2地域では、共同開発で新しい製品が生み出されている。販売や在庫などを管理するソフト「WebNavi」シリーズが一例だ。開発に携わった沖縄県浦添市のオーシーシーでは、「販売開始から約2年が経過し、当社だけで200社程度に導入した」(幸田隆・常務取締役営業統括本部長)と手応えを感じている。同製品は、九州でKISや南日本情報処理センターが扱っているほか、全国網で販売されている。
実ビジネスだけでなく、各地域で参加企業が集まり、定期的に勉強会や情報交換会を開くケースもある。こうした取り組みは、「1社だけでユーザーのニーズに応えようとするのは難しい」という現実に対処するためだ。グループ参加販社の1社が、あるユーザー企業のニーズにマッチする製品・サービス、技術をもっているのであれば、それを別の販社が提供する。ユーザーに喜ばれる仕組みが構築できるわけだ。昨年秋からの不況で、地方のユーザー企業ではIT投資の引き締めが一段と厳しくなっている。彼らが興味を示す製品・サービスを提案するため、複数の力を集結しようという動きである。(佐相彰彦)